初の試みとして行なわれたJWPとディアナの合同興行。入場式では全選手がリングに上がり、ライディーン鋼とSareeeがあいさつを務め、鋼は「合同興行となっておりますが、私の中では対抗戦だと思ってます。初防衛戦に勝ってJWPの強さを見せつけたいと思います」。Sareeeは「同期タッグ対決ということで、ここで自分たちの若い世代が必ず勝って世代交代してみせます!」とそれぞれ意気込みを語った。
オープニングマッチではキャリアで大きく勝る青野がファルコンアローで矢子に勝利。試合後、精彩を欠いた矢子に「もっと気持ちを出せ!」とゲキを飛ばす一幕も。
第2試合では盟子が勢いのあるファイトで会場を沸かせるが、鋼がフロッグスプラッシュで快勝。ジュニア2冠王座の初防衛に成功した鋼は「今日の試合は田中盟子選手で良かったと思います。これからどんどん防衛していくので、応援よろしくお願いします」とマイク。
クライシスと対戦したLeon&中森は、TARUとYASSHIの介入で動きを封じられるとジャガーが中森をフォール。試合後は意気揚々と来年2月のクライシス興行をPRする。中島はAtoZ時代の先輩・下田とタッグを結成。試合前からモメる気配もありながら要所では息を合わせ、反則の顔面攻撃やダブルのカカト落としなどを繰り出していく。下田のカカト落としからドラゴンSHにつないだ中島が3カウントを奪った。
セミファイナルではボリショイ&伊藤と美兎&Sareeeがキャリア20年差の同期タッグ対決。奇襲をしかけた美兎とSareeeは、場外へのプランチャ連弾で先制。徐々に押されていくと美兎が大技攻勢で追い込まれるが、伊藤とボリショイの誤爆から美兎ラビストラルで逆転勝利。ボリショイから初めてのフォール勝ちを奪ってみせた。マイクを持った美兎は「ボリショイさんからスリーを取ったことで、もっともっと自分に自信がつきました! この勢いで先輩から勝っていくんで応援よろしくお願いします!」とアピール。対するボリショイは「どんな形であれ今日勝ったのはオマエの実力だよ。Sareee選手も本当に素晴らしい選手に育って、毎回当たるたびにビックリしてます。私に勝ったからにはぜひJWPでもタッグでもタッグを組んで、どんどんタッグ戦線に絡んできてほしい。今日の借りは近いうちに必ず返す」とリベンジを宣言。最後は健闘を讃えあった4人で手を上げた。
メインイベントは今回の合同興行開催の発端となった、春山香代子と井上京子によるシングルマッチ。若手選手たちがセコンドとしてリングを取り囲む中、激しい体のぶつかり合いによる消耗戦を展開。春山の2度に渡るダイビングギロチンを凌いだ京子が、ナイアガラドライバーでとどめを刺した。
マイクを持った春山は「シングルを引き受けてくださってありがとうございました! やっぱり井上京子の壁は高いままでした。でも、私と京子さんの試合を今日セコンドにいる新人たちに見せれたのは、私はすごい…自分が引退するよりも大きなものを得たと思ってます。若い子にも、いくら行っても壊れない壁、でも負けずに立ち向かっていく気持ち…気持ちが折れないのが1番レスラーがリング上で見せるとこだと思います。それを私は京子さんの試合から学ばせて頂きました。シングルができて本当に良かったけど1個だけ悔しいのが、やっぱり勝ちたかった~っ!! なんで勝たせてくれなかったんですか!?(苦笑)」と激しく悔しがる。京子が「じゃあいいよ。(上に)乗れよ!」と冗談まじりに言うと、春山は「寝てください!」と要求。「ウソでしょ!?」と言いながら横になった京子に春山が覆いかぶさると、スゴーレフェリーが3カウントを叩いた。締めを託された京子は「プロレスラーはケガと向かい合わせでやってますが、ボリさんとも話しましたけど、やっぱり寂しい! Jとかディアナとか言ってる場合じゃなく平日、金曜日の今日この時間…やっぱり(観客数が)少ないと思います。女子プロレスみんなが1つになって“こんなにすごいんだよ!”と、“日本が誇れる文化の1つだよ”と…この女子プロレスをもっともっと広げていきたいと思います」と前向きに語った。
以下、各選手のコメント
★Sareee&ラビット美兎
美兎「先輩超え…意気込み通りに果たすことができました。ホントにSareeeじゃなかったら勝てなかったと思うんで、Sareeeに感謝したいです。ありがとう」
Sareee「ありがとね。今日の勝ちはホントに嬉しいんですけど、でもやっぱ同期だし…自分も勝ちたかったっていう気持ちは(美兎を向かって)あるよね? そういうのがなくなったら終わりだと思っているので、次もまたよろしくね。そのときは自分が勝ちにいきたいと思います」
━━ボリショイからJWPのタッグ戦線に入ってきてほしいと言われたが。
美兎「もちろん行くよね?」
Sareee「そうだね。同期は今、美兎しかいないのかな? ここでやっぱ自分たちの時代を作るためにもどんどん先輩から勝っていかないといけないと思うので」
美兎「自分たちが盛り上げます!」
━━チーム名などは?
美兎「ぜんぜん…まだ今日で2回目なんで。まずは連係とか技関係のことをしっかり、タッグチームっぽくできるように頑張ります!」
★春山香代子
━━京子との対戦を希望した理由は?
「やっぱり若手時代に、JWPとNEOがあるときにすごく厚い壁で崩せなかった壁…丸め込みとかでは勝ったことあるんですけど、がっつり勝ったことがないのもあるし、引退するにあたってやっぱり井上京子っていう選手とは“やっときたい!”っていうのがあったので。平日で客入りとかも悪かったんですけど、今いる子(若手や新人)たちの前で京子さんとこういう闘いができたのは、私にとって大きいものだと思うので…。勝って下の子たちに言いたかったんですけど、大きい壁は大きいままで…(苦笑)。でも最後にスリー取れたので、思い残すことはないです!」
━━若手に見せたい試合はできた?
「見せれたと思います。そこで勝つところがベストだったんですけど…何かセコンドで気づいて胸に残って、これからのプロレス人生に生かしてほしいなっていうのは思います」
━━いよいよ引退まで残り1ヶ月あまりとなったが?
「バリバリ春山は、バリバリのまま進んでいきます!」
★中島安里紗
━━下田とのタッグについて。
「元AtoZっていうことで師弟タッグだったんですけど、やっぱりそれぞれの道を歩いていて。私は隣ですけど負けたくないし、敵以上にけっこう意識してやってたので。でも私は今、自分が下だとは思ってないし同等というか、むしろ私のほうが今は女子プロレス界で中心にいると思っているので」
━━美兎&Sareeeとの主役争いもテーマだったが?
「そうですね。この世代が盛り上げていかなきゃいけないっていうのがあったので、私が勝って美兎が勝って…。だけれども、やっぱりメインの井上京子対春山香代子っていうシングルには、自分で言うのも悔しいですけど到達できていなかったと思うので。私たちの課題であり、勝ったけど悔しい1日になったかなと思います」
━━美兎&SareeeはJWPのタッグ戦線に入ってくるかもしれないが。
「これから闘っていくことがあるかなと思います。ベストフレンズでタイトルマッチも決まってるので、ベルトを獲ったあかつきには2人を指名してもおもしろいかなと思いますね」