【レポート】1月11日(月・祝)

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1月11日(月・祝)
板橋グリーンホール 17:30
「2021開幕戦」

 2021年のPURE-J開幕戦。ライディーン鋼と谷ももによるWANTED同門対決は、鋼のアルゼンチン・バックブリーカーやリバース・スプラッシュにも屈せず粘りを見せる谷が、コーナー最上段からのダブルニードロップや蒼魔刀で反撃。しかし最後は鋼がラリアットから裏投げにつないでキャリアの差を見せつける。
 春日萌花を迎え撃つことになったAKARIは、ノーザンライト・スープレックスからムイビエンにつなぐも極めきれず。79.5MHzで絞め上げた春日がダイビング・フットスタンプでとどめを刺した。
 無差別級王者・Leonに挑む大空ちえは、コーナーからダイブしてのショルダーアタックからフィッシャーマンズ・スープレックスを極めるなど善戦するが、2発目はLeonがガード。狙いすまして放ったスピアーでLeonの完勝に終わる。
 今年も続くことになったKAZUKIと米山香織の闘いは、試合中にロープエスケープすると相手のセコンドから顔に落書きされるという新春特別ルール。両者ともにだんだんと顔を黒く塗られていき、相手の顔を見て笑いをこらえながらの闘いはKAZUKIが巴投げから押さえ込んで3カウントを奪う。KAZUKIが「今年もおぼえとけよ!」と言い放つと、米山は「その顔で言われても! いつも“イヤだイヤだ。もうこの勝負は終わりだ”って言ってるのに」と話し、仲良く写真に収まった。
 メインイベントは中森華子&山下りなの持つデイリースポーツ認定女子タッグ王座に、ディアナの佐藤綾子&マドレーヌが挑戦。佐藤から“コミカル禁止”を厳命されたマドレーヌはキックや関節技で試合を進めると、中森との蹴り合いでは意地をムキ出しに。中森と佐藤に勝負が預けられる形になると、中森が鎮魂歌ドライバーを放つも3カウントに届かず。互いに頭突きを応酬すると破天荒で叩きつけた中森が勝利し、前月のディアナ横浜大会でのリベンジを果たすとともにタッグ王座V3となった。マイクを持った中森は「今日はPURE-Jの開幕戦でしたが、私は隣に絶対りなちゃんしかいないと思って、防衛できていいスタートが切れたことを本当に嬉しく思います。こうやって皆さんの前で試合ができるってことは本当にすごいことだなって実感してます。1試合1試合大事に闘って、皆様の目に熱い闘いを焼きつけていきたいと思っています」と意気込みを語る。
 カーテンコールではボリショイが、「2021年のPURE-Jは1つ1つの闘いを大切にして、もっともっと選手育成に力を入れていきたいと思っています。昨年、鈴季すず選手が返上したPOP王座、復活させたいと思います。本来ならたくさんの人を集めて大きなトーナメントをしたいと思っていたんですが、少し規模を縮小してAKARI、大空ちえ、谷もも選手、そしてあともう1人入れて4人でトーナメントを行ないたいと思います」と話すと、マドレーヌがリングへ。号泣しながら「これじゃ終われないんです。この日程、2日とも空いてます。試合させてください!」と参戦を表明。ボリショイは「私が泣かせたみたいじゃん! 熱い気持ちはわかった」と承諾し、会場のファンも拍手で後押しした。続いて昨年の夏から脳しんとうによる欠場が続いている久令愛は、「正直、今のPOPの話にいっさい関わることができないことを非常に悔しく思っております! なので、必ず復帰してやるんでもう少しお待ちください!」。大空はPOP王座について「自分が挑戦できるなんてすごく嬉しいです。全力で勝ちに行きます!」、AKARIは「トーナメント、メッチャホントに頑張ります!」とコメント。
 中森は「7月16日にはデビュー15周年を迎えます! たくさんのライバルをどんどん作っていって、華子の年にしたいと思いますので応援よろしくお願いします!」、最後はLeonが「ちえとは4ヶ月ぶりのシングルだったんですけれども、成長は感じたんですけれども、もっともっと気迫で思い切りぶつかってきてほしかったというのが正直な印象なんで、つぎ当たる時は私をビックリさせるぐらい向かって来てほしいと思います。2021年がスタートしましたが今まで以上に進化して、ものすごい試合をして、みんなが欲しがるベルトに輝かせていきたいと思います」と締めた。
以下、各選手のコメント

★中森華子&山下りな
 中森「開幕戦で絶対に防衛戦をしたいって思ってて、今日の対戦相手っていうのは私個人の気持ちが強い選手だったと思うんですけど、佐藤さんはデビュー前からずっと長くて、佐藤さんが連れてきたパートナーがマドレーヌ選手という。私も初めてぐらいですけど、りなちゃんが対戦するのもすごい新鮮で、私は隣りにいて楽しかったし…」
 山下「なんか今日はやりがいしかなかったです。マドレーヌの試合を見たことがなくて、ホントに初見の初対戦が今日タイトルマッチだったんですけど、あの2人のタッグと今まで闘えなかったのがホントにもったいないなって思うぐらい、素晴らしいお2人で。すっごい楽しかった。なんか試合前に3000円ぐらいするユンケルを華ちゃんが…(笑)」
 中森「(山下は)試合が多いじゃないですか。連戦続きの中のタイトルマッチだったので、お守り的な感じです(笑)」
 山下「私もユンケルユーザーなんですけど“コレに手を出したら終わりだな”っていうレベルのユンケルを持ってきたんですよ。“コレはヤバイ”っていうのを出してきて。調べたら“寿命の前借り”って書いてあって! “飲んだら2時間走り続けられる”って“どんなタイトルさせられるんだろう?”って! このエピソードはどんどん、私はもう死ぬまで言い続けていくので。中森華子のパートナー、3000円のユンケル飲ませられるっていう…(笑)。飲んだ後に頭の中がチリチリしたんですよね」
 中森「ホント? 良かった、それは」
 山下「今日はユンケルのおかげで防衛できました。ありがとうございます!」
 ━━普段からそのユンケルを飲んでいる?
 中森「タイトルマッチとか自分の想いがある試合の時に特別に飲んでるんで。今日は一緒に飲みたいなと思って(笑)」
 山下「中森華子のタイトルマッチの時のキレッキレの秘訣を今日、知ったような気がします。“悪魔と契約してるのかな?”っていつも思ってたけど、ユンケルでした(笑)。知れば知るほど味わい深い人間だなと…タイトルを重ねるごとに毎回言ってるんですけど。次はどんな中森華子が出てくるのか、ご期待ください」
 ━━今年は15周年イヤーとなるが。
 中森「私の同期がすごくいっぱいいて、すごい同期ばっかりで。15周年って節目の年だと思いますし、1試合1試合大事に闘ってライバルもたくさん増やして…いつも刺激をもらってるメンバーがみんな15周年を迎えるので、埋もれないように私らしく闘っていきたいと思ってます」
 山下「同期の先輩、私もお世話になってたりすること多いけど、なんかちょっとひと味違うヤバさが…」
 中森「なんで!?」
 山下「ひと味違う味わいがあるので、これをどんどん推していきたいと思います。中森華子、大好きです(笑)」
★佐藤綾子&マドレーヌ
 佐藤「中森選手とディアナのベルトの抗争から続いて、今日獲れれば2冠王になるとこだったんですけども、マドに“足ひっぱるなよ?”と言いつつ頑張ったと思います。あんまホメたくないんですけど、身内のことは。取られたのは申し訳ない」
 マドレーヌ「(泣きながら)中森さんをすごく意識していて、佐藤さんと中森さんがすごい昔から絆があって仲が良いのを知っているので。私が佐藤さんと挑戦させて頂くっていうことは、中森さんにも新しいパートナーだって認めてもらわなきゃと思ったから…。中森さんが蹴る方なので対抗しようと思って蹴り合いたいと思ったんですけど、メチャクチャ痛くてひるんでしまって…。自分が総合(格闘技)出身なのをすごい誇りに思って頑張ろうと思ったんですけど、やっぱりまだすごい弱いところがあって。佐藤さんのパートナーはほかにもいっぱい、もっと強い人を選べたのに…もっとちゃんとパートナーだと認めてもらえるように練習していきます。すいませんでした」
 ━━試合後、POPのトーナメントへの参戦をアピールしたが。
 マドレーヌ「実はPURE-Jさんへの参戦はまだ2回目で、初めて道場に出させてもらったのが(昨年の)3月で。すごく久しぶりに今回参戦させて頂いて…」
 佐藤「ピースパとかで当たってるの?」
 マドレーヌ「はい。AKARIさんとは何回か、ちえさんとは1回、谷さんはまだ未経験なんですけども、近い世代の方と試合させて頂くことも多くて。佐藤さんに近づくためにも、もっともっと闘う機会がほしいから勝手にリングに上がりました。クライシスにベルトを持って帰ります」
 佐藤「なんか、こうやってつながっていって楽しいですね。私も中森選手とディアナで抗争してPURE-Jに出れて。自分もディアナのベルト巻いてから、ありがたいことにいろんな団体に出させてもらうようになって、すごい自分の刺激にもなるしマドも刺激になったと思いますし。中森選手も私の後輩だからか知らないけど、マジで蹴ってくれたんで(苦笑)」
 マドレーヌ「死ぬかと思いました…」
 佐藤「ちょっと心は折れたよね。“絶対負けない”って言ってたんですけど、強いんだよ。体重差あるけど…」
 マドレーヌ「ホント悔しいです…」
 佐藤「新しいファイトスタイルが見つかったんじゃないかなと。マドも“こういうことできます”とアピールしていけばいいと思うよ」
 マドレーヌ「“総合やってたのになんでそんな弱いの?”みたいに言われることがすごくイヤで。だから今年はもっと違う自分になって、なぜならウチには佐藤さんというチャンピオンがいるので。佐藤さんについていきます」
 佐藤「練習しかないと思いますよ」
 マドレーヌ「はい」