10月18日(日)板橋グリーンホール 17時半 『Fight Together』 2ヶ月ぶりのPURE-J板橋大会。第1試合では大空ちえがマーベラス・神童ミコトを相手に足関節を極めてロープに這わせるなど食い下がるが、神童がスワンダイブから前方回転して丸め込むスワン・サンセットでフォール勝ち。
第2試合は抗争の続くKAZUKIと米山香織が、前週の亀アリーナマッチで行なわれた運動会ルールでシングル対決。2フォールカウントから運動会種目での対決に移行し、そこで勝利すれば決着となる特殊ルールで、まずは綱引き、次にグルグルバット競争へ。再び綱引きになると、不利になった米山が「団体対抗綱引きだ~っ!!」と助けを呼び、ボリショイが加勢。続いての手押し車対決は米山&ボリショイとKAZUKI&大空の2対2となり、これを制した米山が勝ち名乗りを受けた。
第3試合はこの日を最後にPURE-Jを退団する勝愛実とマリ卍が一騎打ち。互いの得意技を繰り出しながらぶつかり合う中、勝がラリアットからダイビング・エルボー。最後はラビストラルからマリを押さえ込んで3カウントを奪った。マリは「これからもっと強くなりたいです! よろしくお願いします!」とアピール。リングアナの「あなたの愛に卍固め。愛卍~っ!!」のコールを受けて、最後は2人でポーズを決める。
セミファイナルはLeon&AKARIが佐藤綾子&Sareeeとのタッグ対決。Sareeeに追い込まれるAKARIも丸め込みの連続でフォールを奪いに行くなど奮闘。佐藤のジャーマンからSareeeがジャックナイフで押さえ込むとまたしてもLeonのカットに阻まれるが、最後はSareeeがジャーマンでAKARIから貫録勝ち。
メインイベントはLeonの持つ無差別級王座への挑戦権を懸けて中森華子とライディーン鋼が対峙。中森の蹴撃に苦しめられる鋼は要所で放つラリアットで応戦すると、最後は昇天・改を決めて3カウントを奪取。11・3新木場大会でのタイトル挑戦が決定した。
カーテンコールでは大空が「本日で愛卍のお二人が退団されてしまうんですけども…今まで教わったことをムダにせずに経験値にして、2人に堂々と“強くなった”って言えるように頑張りたいと思いますので、PURE-Jの皆さんと頑張っていきたいと思います」。KAZUKIは「運動会マッチとかやってますけど真剣になってます。これでもPURE-Jの最年長キャリアです。PURE-Jに残ってる選手たちを引っ張っていけるように頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いします!」と意気込み。続いて勝とマリの名前が呼ばれ、勝は「これまでPURE-J女子プロレスのマリ卍と勝愛実を応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。本日をもちましてマリ卍・勝愛実はPURE-J女子プロレスを退団いたします。そしてこの後、フリーとして活動していきたいと思いますが、私たちの根本にあるものはJWP、そしてPURE-J女子プロレスが基礎となっているので。フリーになってもPURE-Jで学んだことを決して忘れずに頑張っていきたいと思います!」とあいさつ。マリも「ありがとうございました!」と頭を下げる。
Leonは「次の防衛戦、ライディーン鋼になりましたね。今日の試合を見ても勢いとパワーは認めます。でも、このベルトは勢いとパワーだけで獲れるベルトじゃありません。しっかりチャンピオンの強さを見せつけて、きっちりと防衛したいと思います。私がチャンピオンとしてPURE-Jの未来を背負っていきます!」。中森は「無差別のチャンピオンに返り咲くどころかLeonさんの前に立つこともできなかったんですけども、“2冠チャンピオンになる”と1度口にしたからには必ず実現させたいと思うので。今日からもっともっと強くなっていきたいと思います! そしてPURE-J、メンバーが変わりました。辞めたいヤツは辞めていくし、でもPURE-Jはこれからも変わりません。続いていきます。私がいる限りPURE-Jは絶対、この世で1番の団体にしてみせますので! 皆さんこれからもついて来てくれたら嬉しいです」。鋼は「前王者に勝ちました! Leonさんの持つ無差別のベルト、必ず私がベルト巻いた姿を皆さんにお見せしたいと思います!」。
ボリショイがリングに上がり、「皆さん最後までご観戦ありがとうございました! 次の大会からはPURE-J旗揚げと同じ、7人でのスタートになります。PURE-Jを旗揚げして3年間、誠心誠意、選手を育ててきましたが…2人の退団ということで“この3年間は何だったんだろう?”と自問自答する日が続きました。(所属選手をリング上に招いて)ここにいるメンバーの成長が私の宝です。これからも選手たちが輝けるPURE-Jを創(つく)っていきます。皆さんこれからも応援よろしくお願いします」とあいさつすると会場から拍手が沸き起こる。 ボリショイが11・3新木場大会はすべてシングルマッチになることを発表すると。AKARIがSareeeとの対戦をアピール。遠くからリングの様子を見ていたSareeeも「大丈夫です!」と笑顔で快諾する。KAZUKIは「今日の試合は(手押し車でゴールにたどり着いた)ボリショイさんが勝ったことになりますよね? ボリショイさんが途中から参加し始めたからいけないんですよ」と不服を述べると、米山は「理由は何でもいいですよ! 私のことが好きでシングルマッチやりたい! その気持ちを汲んであげてください!」とアピールし、新木場でも対戦することが決定。Leonとのタイトル戦が叶わなかった中森は「タッグパートナーの山下りなを希望します」。ボリショイは大空に春日萌花の対戦を告げ、「PURE-Jの中心を狙ってる春日萌花。彼女から盗むものはたくさんあるので、思い切りぶつかっていってたくさん盗んでください」とエールを贈った。
以下、各選手のコメント ★勝愛実&マリ卍 ━━所属として最後の試合を終えたが。 マリ「自分はPURE-Jラストマッチがこれから一緒にやっていく愛実さんとのシングルマッチでホントに良かったし、この試合で“マリとなら大丈夫”って愛実さんに思わせようって意気込みがあったんですけれども、闘ってみたらまだまだ足を引っ張ってしまうと実感したけれども…今2人でトレーニングしてる時間とかがすごく楽しくて。一瞬で1日が過ぎていって、まだまだお荷物になってしまうかもしれないけれども、いくら顔面蹴られても愛実さんにしがみついて…(笑)。ずうずうしく、強くしていってもらおうと思ってます!」 勝「自分はマリのことはぜんぜん力不足だなんて思ってもなくて…。マリが自分で思ってるより“そんなことはないのかな”って。でも、やっぱり足りない部分っていうのは、お互いに補っていくものがタッグだと思うので。自分もまだまだな部分はありますし、そういったところはお互いに埋め合いながら共に進んでいけたらいいなと思ってます」 ━━PURE-Jでの思い出など振り返って。 マリ「自分はやっぱりデビューが遅いので。でも好きで好きで自分の生活捨ててでも…普通に働いてたので。普通の収入とか今ある生活を捨ててでも、勢いと“人生1度だしやってみよう”という気持ちで入って。毎日練習していく中で、デビューしてすぐ愛実さんと配信を始めて、思い出はたくさんあるんですけれども…。プロレスラーとしてプロレス以外の思い出ってなると、やっぱりいつも愛実さんと一緒だったなと思って。あとは愛実さんと初めてタッグで勝った新宿FACEとか、タッグでの思い出が多いです」 勝「自分も同じくPURE-Jでのことを思うと、後半は特にマリが隣りにいた時間のほうがすごく長かったので。やっぱりパッと思いつくのは2人で行動したこと…タッグのベルトに挑戦したりだとか、1番強く自分の中で思い出かなと思いますね」 ━━フリーとなるが、今後に向けての意気込みを。 勝「やっぱり所属の時と違って、今度は自分たちの身一つで闘っていかなきゃいけないって、すごく大変なリスク・不安のほうが今は大きいですし、自分にできるぶんいろいろやっていかなきゃいけないことが増えたりしますけど、それもひっくるめて今はすべてを楽しんでいけるワクワクのほうが強いかなと思います」 マリ「プロレスラーとしてまだ3年目なのでホントに想像つかないぐらい、練習場はどうするのかとか、呼んでもらえるのかとか…。でも自分が覚悟を決めたのは、自分で闘いの場を作っていきたいと思っていて。自分たちを呼びたいと思ってもらえるような、今この業界にない活動をしていきたいと思っています。プロレスを見たことない人に届けたいという気持ちがすごい強くなって。それが何でかっていったら、自分が生配信を始めてそれが広がっていって、プロレス見たことない人たちが見てくれて。そうしたら入場曲もそうなんですけど、新しい世界がどんどん広がっていって。これからホントに試合ができなくなるかもしれない。練習ができなくなるかもしれない。廃業するかもしれないって覚悟をもってでも、自分たちが信じた道を2人で歩いていこうと思いましたし、今日愛実さんにダイビング・エルボーをやられてもう動けなくて、“終わった”と思ったらラビストラル…(苦笑)。これはもう“自分が持ってるモノをもっともっと育てて強くなっていけ”っていうメッセージだなって思ったので。愛実さんに教わったことを生かして、そしてPURE-Jで教わったことを生かして、私のプロレスがPURE-Jで培ったものだっていうことを、たくさんの人に知ってもらえるうな活動をしていきたいなと思います」
★ライディーン鋼 「私も今の勢い、そしてベルト…ホントに獲りたくて仕方ないです。PURE-Jの中心って言ったら私しかいないと、今はメチャクチャ思ってます」 ━━Leonは強敵だがどのように攻略する? 「スピードとかあるので、そこを力でねじ伏せて。自分が勝利して皆さんにベルト姿を見せたいと思います」 ━━2人の退団で、かかる期待も大きくなるが。 「はい。今が自分にとってはチャンスだと思ってるので。2人が辞めようが何しようが、私が中心になっていかないといけないと思うので。なので、快く“辞めてください”っていう感じです。退団して頂いたらいいと思います」