5ヶ月ぶりのJWP大阪大会。入場式ではラビット美兎が「ラスト大阪なので悔いなく闘いたいと思います! 最後までご声援よろしくお願いします!」とあいさつ。続いてボリショイと同じく地元出身で、ヒザの負傷により長期欠場中のRiNOがマイクを持ち、「次回の大阪大会には復帰して、このリングで暴れ回れるように頑張っていきたいと思います!」と意気込みをアピール。JWPとダイドードリンコで行なっているピュアドリーム基金(※対象となる自動販売機の売り上げ金の一部を、子供たちの夢の助成支援として寄付する活動。この自動販売機を設置してもいいという事業主・個人を募集中)がコマンドボリショイより社会福祉法人・博愛社に手渡された。
オープニングマッチは新シリーズ第2戦となる藤ヶ崎矢子がフェアリー日本橋と対戦。フェアリーの入場時に奇襲を仕掛けた矢子はフェアリーには目もくれず、セコンドについていた夏すみれと乱闘を繰り広げる。マイクを持ったフェアリーは「あなた心まですさんでしまったの?」と矢子を諭して、ようやく試合がスタート。マスクを剥ぎにかかるなどラフも織り交ぜながら勝ちを狙う矢子だったが、丸め込みで勝利したフェアリーは「ヤコリーヌ、目を閉じて考えてみなさい。自分の心の声に問い正してごらんなさい」。矢子が「私が悪かったです…」と謝罪するとフェアリーは「わかってくれたならいいわ。仲直りする?」と握手を交わす。友情を取り戻した矢子は「第2戦も負けてしまいました。JWP仙台大会で、自分は次の相手もう決めてます。センダイガールズの白姫美叶! 次はあいつを狙っていきます!」と宣言した。
ラビット美兎と下野佐和子のシングル対決は、下野の一本背負いを受けた美兎が鼻から出血するアクシデントにもめげず奮闘。しかし最後は下野がその場跳びの雷電ドロップ連発から助走つきの一撃で3カウントを奪った。
第3試合では11・3後楽園でもタッグを組んだKAZUKIとジャガー横田が、Leon&夏すみれの異色タッグと激突。ジャガー式のバックドロップホールドからダイビング・ニードロップについないで勝利したKAZUKIはジャガーに対し、「来週のディアナさんとの合同興行(11・27新木場)でもまた組ませて頂くんですけども、その時は今日とは違ったKAZUKIでいたいと思いますので、よろしくお願いします」。ジャガーは「それはもしかして、私の組んでいるクライシスに入るっていうことかな? 今日は一応勝利できたけど、どうもオマエはキャリアの割には強いイメージがない。私の教え子だったし、今はJWPで頑張ってるのもわかる。でも、やっぱり強くなければ意味がない。クラシスは勝つために手段を選ばないだけだから、悪いことをやる・やらないは別なんだよ。変身しなければならない。キミを迎え入れてもいいんだけど、来週勝利したら考えようかな」とクライシス加入を条件つきで容認。KAZUKIが「私をクライシスに入れるっていうことはライディーン鋼もついてくるんですよ」と返すと、ジャガーは「鋼もいいんだけど…オマエと同じ種類なんだよ」と渋い表情を浮かべる。
続いてリングに上がった矢子が敗れた夏に対し、「おいブス! 相変わらず無様な負け方してるよなオイ! それでいいのかよ?」と挑発。夏は「オマエも今日負けたよな? いまやってるシリーズ、成績どうなの? 何がビジュアルハンターだよ。ビビッてるよね? ビジュアルハンターならジャガーさんに行きなよ。ビジュアル界の元祖だよ!?」と返答。矢子は「負け犬がギャーギャー言ってんじゃねぇよ。オマエは1番許せねぇんだよ。オマエとワンマッチ(興行)でも何のルールでもやってやるよ!」とまたしても乱闘を展開した。
セミファイナルは2冠タッグ王者の中森華子と木村響子が最後のシングル対決。足関節技で中森に悲鳴を上げさせる木村に中森も持てる技を駆使して奮戦。中森が鎮魂歌ドライバーを放ったところで20分時間切れのゴングが鳴らされ、木村に手を上げられた中森だが勝利できなかった悔しさをにじませる。
メインイベントはコマンドボリショイ&勝愛実vs中島安里紗&ライディーン鋼。退団を控える中島に対してほかの選手が感情的になる場面もなく、4人ともにJWPならではの熱い闘いを展開。勝が鋼に雪崩式のオレンジ☆ブロッサムを放つと、ボリショイがピコニー・スマッシュでアシスト。勝が正調のオレンジ☆ブロッサムで鋼から勝利した。試合後は勝のマイクを皮切りに、中島とボリショイもそれぞれの想いを訴え握手と抱擁を交わした。
★メインイベント後のマイク
勝「鋼、私たちまだまだこんなもんじゃないよね!? もっともっとこれから私たちがJWPの象徴になっていかなきゃいけないんじゃないの? 鋼とは対角線でお互いを高め合いたいと思ってます。それから中島安里紗、オマエに対して言うことは何もない! ただ、これからのJWPは私が責任を持って引っ張っていくので、安心して退団してください」
中島「JWPの中島安里紗として大阪で試合をするのは今日で最後です。次、いつ大阪に来れるかわかりませんが、フリーになってもしっかりと女子プロレスを背負って闘っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします(会場から拍手)。鋼と組むのは今日で最後かもしれない。ボリショイさんと当たるのも、愛実と当たるのも今日で最後かもしれない。本当に本当にありがとうございました」
ボリショイ「(リングを下りた中島に)おい、ひとこと言わせてくれよ。その心がこもってんだか、こもってないのかよくわからない“ありがとうございました”がすごい気に食わないんだけど。もう1度来いよ。(中島が再びリングに上がる)中島が選んだ道、そして私たちがこれから歩む道…みんな想いもさまざまだよ。中島に対して腹が立つヤツもいれば、短い間でもできるだけ盗んでやろうというヤツもいる。いろんなヤツいるけど、みんなプロレスが好きっていう気持ちは一緒だよ。それだけはみんな同じ気持ちだと信じてる。こうやってもう同じリングで同じ夢を見ることはできないかもしれないけど…でもプロレスラーである限り私は、そしてJWPはオマエとライバルだよ。お互い負けないし、どこ行っても元気で。私は今日、オマエと最後の試合だと思って挑んだよ。泣くかと思ったけど涙も出なかったよ。もしかしたら、まだやり足りないのかもしれない。12月28日まで、まだ時間はあるよ」
中島「(マイクを奪い取って)心がこもってないって言うんだったらな、言いたいこと言ってもいいのかよ? 私はまだまだアンタと試合がしたいよ! これで最後かもしれないけど、私だってこんなんじゃ涙でねぇよ。最後だと思いたくねぇよ…。もう1回、試合をしたいです」
ボリショイ「オマエさぁ…ワガママ通すの上手いよね? JWPで突然いなくなって“頑張ります”って戻ってきて、そして“退団します”って、“もう1回試合がしたいです”って…。団体を運営してるほうとしてはアンタの気持ちは受け入れるしかないよ。いちレスラーとしては退団なんて認めたくない。でも、もう道は決まってるんだよ。中島は退団する、私はJWPを引率していく。それぞれの道で覚悟を決めてやっていくしかないんだよ。私はその迷いのない中島の目を信じてるから。もう1回、闘おう。なんか…いつもオマエの言う通りにしてるみたいですごくムカつくんだけど。いいよ、やってやるよ。道場マッチでも両国でもやってやるよ」
中島「(12・18)両国で、私はボリショイさんと闘いたいです。お願いします(握手を交わして抱き合う)」
ボリショイ「(観客に向かって)皆さん、ワガママなヤツがJWPを退団しますが、最後までワガママに付き合って、思い切り殴って…JWPを退団させてやりたいと思います。私が中島安里紗をボコボコにするところを見に来てください。今日はありがとうございました!」
以下、各選手のコメント
★中島安里紗
「所属としては最後の大阪だったんですけど、自分はまだまだこれからも女子プロレスで上を目指してやっていくので、また大阪に来る機会もあると思うので。でも所属最後のJの大会で、メインで試合ができて良かったなと思いますが、最後だから頑張るわけじゃなくて、いつでもやることは一緒だと思うので」
━━12・18両国でのボリショイ戦が決まったが。
「ホントに自分があの瞬間に、自分の心から出た言葉だったと思うので…自分で再確認という感じですね。“あっ、自分そう思ってたんだ”っていうのを今日リングでわかったので、それに応えてくださるボリショイさんに自分の想いとか、今までJWPでやってきたものだったりとか、すべてぶつけて…次に進むためにも、今の自分のすべてを出し尽くしたいと思います」
━━退団発表して半月ほど経つが実感は?
「そうですね…いろんな人の想いや考え方を耳にしたり目にするようになって“なるほど、そういうふうに受け取る人もいるのか”とか。でも、何をやっても賛否両論だと思うし、何をやっても正解というものはないと思うので、自分で思うように歩いていけたらなと思います」
★藤ヶ崎矢子
━━今回も成敗することはできなかったが。
「人間じゃない人と闘うのは自分にとってはやっぱり…いい経験はできたんですけど、私の1番の弱点なんじゃないのかなっていうのは思いました。フェアリーと仲直りできたのはすごい嬉しかったんで、これから良きパートナーとしてやっていきたいなとは思ってます」
━━次の相手に白姫美叶を指名したのは?
「仙台といえば、自分のことを可愛いと思っているのは、やっぱり白姫美叶だと思ってますし。仙女さんの(10・16)仙台サンプラザで闘って蹴散らしきれてないなと思ってたんで、白姫を指名しました」
━━彼女は自分のことを可愛いと思っている?
「思ってると思います」
━━今日も夏と激しくやり合ったが。
「今までの私に対しての夏の態度はホントにマジで腹が立ってるので、決着をつけたいなと思って。何のルールでもやってやります。1対1のワンマッチ興行をやりたいなと思ってます。1試合だけの興行でルールをいろいろ入れる感じで。それで完全決着で終わりにします。どっちが女子力が高いのかって、そこで証明したいと思ってます」