【レポート】12月9日(日)後楽園ホール 11時45分

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12月9日(日)後楽園ホール 11時45分
「PURE-J CLIMAX2018」
 PURE-Jの2018年最後のビッグマッチ。入場式ではマリ卍があいさつを務め、「今日が1番初勝利に近いと思っています。なぜなら、さくらえみは腰を痛めている~っ!! だから今日こそ決めるぞ!!」と必勝宣言。続いてコマンドボリショイが「皆様に嬉しい報告があります。チリからなんとPURE-Jに押しかけ入門してきた選手がいます。勝手にチリから出てきました」とベニータを紹介。ベニータは日本語で「こんにちは、皆さん。私の名前はベニータです。よろしくお願いします。私はチリから来ました。夢はPURE-Jでプロレスをやりたいです」と挨拶し温かい拍手で迎えられた。






 第1試合はマリ卍がさくらえみと対戦。いきなり卍固めを仕掛けて驚かせたマリは、タックルの応酬から逆片エビ固めにつないで、さくらのウイークポイントである腰を攻め立てる。善戦したマリだったが最後はさくらがラ・マヒストラルで丸め込みキャリアの差を見せつけた。




 藤ヶ崎矢子は本間多恵とのタッグで、木村花&清水ひかりとタッグ対決。試合前からパートナーの本間にも敵対心を露わにする矢子に、3人で矢子を捕らえてポーズを決める場面も見られるが、矢子がジャーマンからタイガー・スープレックスにつないで清水から3カウントを奪取。矢子は本間に中指を立てて1人で引き上げていく。








 Leonは春日萌花と2ヶ月半ぶりのシングル対決。マッドスプラッシュをカウント2でキックアウトするなど粘りを見せる春日に、Leonはスピンキックを連打。片ヒザ立ち状態の春日をスピアーで浴びせ倒して勝利すると、春日に見せつけるようにガッツポーズを作った。








 タッグリーグ戦の上位2チーム『WANTED☆ウォリアーズ』KAZUKI&ライディーン鋼と、『カワイルド☆ビクトリアズ』勝愛実&沙紀による決勝戦は3本勝負。鋼のラリアットの誤爆を誘った沙紀がKAZUKIにビッグブーツを叩き込んで1本を先取すると、2本目は鋼がラリアットで沙紀をなぎ倒して1対1のイーブンに。3本目は勝を捕らえたWANTEDが合体技・太陽の塔から鋼が重爆ムーンサルト、KAZUKIがダブルニーと畳みかけて3カウントを奪取。タッグ王座への執念で上回った2人が、『P-Ray-L』コマンドボリショイ&Leonへの挑戦権を手に入れた。
















 セミファイナルはボリショイがジャガー横田とのタッグで、JWP時代に長らく共に過ごした倉垣翼&米山香織と対戦。倉垣のダイビング・ボディープレス、米山のダイビング千豚♪を立て続けに浴びてピンチを迎えるボリショイだったが、ジャガーのカニ挟みで米山がロープにもたれかかると、すかさず619を発射。コルバタでの横回転からワキ固めに移行するボリショイ式ワキ固めでギブアップ勝ちを収めた。














★セミファイナル後のマイク
 ボリショイ「私の引退ロード、一緒に試合をしてくれて本当にありがとうございました。この3人は私のプロレスの歴史では切っても切り離せない、とっても感謝している仲間です。4月21日の引退まで、あと4ヶ月になりました。まだまだ私は試合がしたいです。私と対戦したいと思ってくれてる選手、どこの団体でもどんな場所でも出て行って、プロレスを1日でもたくさん試合がしたいので。そういう方がいたらぜひですね、声をかけてくれた嬉しいです」
 米山「(手を上げて)はい! 私がやってるYMZ・ゴキゲンなプロレスというのがあるんですけど、そこでぜひ試合をしてください!」
 ボリショイ「ぜひよろしくお願いします」
 倉垣「自分は亀アリーナで試合したいです!」
 ボリショイ「ぜひ来てください」
 ジャガー「亀アリーナは私でしょ!?(場内がどよめく)」
 マリ卍「(エプロンに上がって)私もシングルしたいです!」
 さくら「ボリショイさん! 世界で1番小さいプロレス会場・我闘雲舞の市ヶ谷チョコレート広場に…ボリショイさんじゃなくてマリ卍を出してくださ~い!! せ~の! マリ卍! マリ卍!…(コールをあおる)」
 ボリショイ「うるさい! 今はオマエの時間じゃねぇんだよ。チョコレート広場でもどこでも私に害がないようにしてね。1つ決定してることがあります。3月17日、新宿FACE。尾崎魔弓とシングルをします。私の勝手に思っている宿敵です。コマンドボリショイになるのかボリショイキッドになるのか、まだわかりませんが…私自身、最後に尾崎魔弓と手を合わせたいと思っています。皆さんぜひ見に来てください」





 メインイベントは中森華子の持つPURE-J認定無差別級王座にシードリングの中島安里紗が挑戦。1ヶ月前のシードリング後楽園大会では中島が勝利しており、すぐさま中森が再戦を要求したことから決まったリベンジマッチは右手を出して握手を求める中島に中森がハイキックを叩き込んでスタート。強烈なエルボーとスープレックスに苦しめられる中森だったが、スタンディング式のシャイニング・ウィザードをカウンターで叩き込むと2発目の鎮魂歌ドライバーへ。中島の背後を取った中森は片足を抱えて持ち上げると、開脚しながら叩きつける『破天荒』を久々に炸裂させて王座防衛に成功。マイクを持つと「5度目の防衛、成功したぞーっ!! 中森華子がPURE-Jのチャンピオンなんだよ!! 私のこと認めてない選手は、いつだってどこだって私がつぶしていくからな!」と宣言した。


以下、各選手のコメント

★中森華子
 「PURE-Jのリングで絶対に負けてはいけなかったので。チャンピオンになって10ヶ月経っていますけど、今日の試合を迎えるまで正直ちょっと、なんかいろんな想いがこみ上げてしまって…。前哨戦でも不甲斐ない試合をしてしまったり、チャンピオンとして恥ずかしいところを見せてしまって、今日はそういうのを全部出し切って…うまく言葉にできないんですけど、防衛できて安心しています」
 ━━先月、シードリングの後楽園で敗れた中島にリベンジしたが。
 「トーナメントで中島と当たると思って、“PURE-Jで1番のチャンピオンの私がなんでシードリングの3番手なんかとやらなきゃいけないんだ”と思ったし、彼女がJWPを辞める日は“またどこかで会おう”っていう気持ちでいたんですけど、私の中では“私はチャンピオンだけど彼女は(無冠で)特に何でもない。なのにあの日は完敗してしまって、悔しいとかそういう思いだけじゃなくてホントに情けない気持ちでいっぱいでした」
 ━━チャンピオンとして年を越すことになるが、少し早いが今年を振り返って。
 「まだPURE-Jの大会も2回ありますけど、今年1年の私の目標というのは“鬼のように勝ちに行く。破天荒に”。いろんな団体に乗り込んでPURE-Jを広めていくには私が殴り込みに行かなきゃいけないので、そういう気持ちでやってきて。ホントにあっという間なんですけど、まだ残りの大会もありますし最後まで駆け抜けていきたいと思っています」
 ━━次の後楽園大会となる来年4月はボリショイの引退になるが、どういう状態で迎えたい?
 「あんまり考えたくないぐらい寂しいけど、ボリショイさんがホントに安心して引退できる状態じゃないなっていうのを感じていて。私自身ホントしっかりしなきゃ! っていう思いで…今日も満員にできなかったし、4月の後楽園はまず最低限満員の会場でボリショイさんの引退を見届けたいと思います。いろんな面で強いチャンピオンにならなきゃいけないので、それまで毎日全力でやっていくしかないと思ってます」
 ━━今後、中島との関係はどうなっていく?
 「今日の試合が始まる前までは“今日で勝って終わりにしよう”って思ってたんですけど…やっぱりあんまり言いたくないけど、中島は私にとってはいろんな面で大きな存在だったのかもしれないっていう…。もしかしたらまた何かの機会でリングで会うかもしれないけども、今日よりも何億倍も強い、怖い中森華子で会いたいと思っています」
 ━━JWPで絶対的なチャンピオンだった中島の王者像と、自身の比較について。
 「もう覚えてなくて…正直、中島がチャンピオンの時は、私は巻けないんじゃないかと思って。ホント悔しい気持ちでいて“超えたい”とか口に出しては言ってたかもしれないけど、もう無理なんじゃないかって思っていた時もあったので(苦笑)。でも彼女が去る日に私がチャンピオンになって、それからJWP…4ヶ月だけだったけど守ってきたって自信はすごくあるし、背負ってきたし。それは中島がチャンピオンの時もJWPを背負っていたと思うけど…それ以上に私はやってきたと自信はあるし」
 ━━今日の髪の色はどういうテーマで?
 「私自身がPURE-J、私こそがPURE-J。レインボーに染め上げてきました。ガウンも作ってPURE-Jを誰よりも背負ってるっていうのを形でも、写真からも伝わるようにしました」


★中島安里紗
 「今日は負けました。まぁ、私が中森華子より弱かったから負けたと思うんで、まだまだ強くなれる余地があると思って…。プロレスラーでいる以上、あきらめるということは絶対にありえないので、ボリショイさんとのシングルに関しても私はあきらめないし、まだまだ次の可能性というのを、必ず自分で手繰り寄せたいと思います」
 ━━PURE-Jとの関係はどうなっていく?
 「別に今日の結果はひとつ今日の結果っていうことで、これで終わりだと思うし。PURE-Jに対してどうするっていうのはないですけど、ボリショイさんとのシングルはやりたい! それだけですね」
 ━━中森について。
 「自分がこの団体を辞めて、だからこそこういう大舞台でシングルをやって注目されるようになったわけだから。改めて辞めて良かったと思うし、ライバルが多いのはいいことだと思うんで。こうやってやり合える、勝ち負けで語れる相手ができたっていうのは自分のプロレス人生にとって楽しみでしかないです」

★WANTED☆ウォリアーズ
 KAZUKI「タッグのベルトは私は阿部(幸江)さんと組んだ頃から目標にしてたことなんで。鋼と組んでからは1回も巻けてないので、しかも2年前の後楽園で敗れてから挑戦すらもできなかったので。“やっとここまで来れたか”って感じです。今回このチャンスを本当に逃したくなくて、勝てて良かったです。でも勝&沙紀組もこんなもんじゃないので、またやりたいですね。実際、私は勝にシングルでも負けてるので…」
 鋼「KAZUKIさんと組んで『WANTED☆ウォリアーズ』ができて。ずっと自分、負け続けてたのでやっと。この2人でしか獲れないタッグのベルト、必ず獲って後楽園に立ちます」
 ━━リーグ戦を振り返って。
 鋼「初日『J@st do it!』(本間&清水)に自分が負けてしまって…」
 KAZUKI「勝&沙紀にも引き分けてるので満足ではないです。もう何度目の正直かわからないですけども、今度こそベルトを獲りたいです。獲ります!」
 鋼「必ずベルトを巻きます」

★勝愛実
 ━━試合後のダメージが心配されたが。
 「一瞬メッチャきつくて呼吸すらできなくて…。でも控室で5分休んだらなんてことなくて、呼吸も元に戻って…(苦笑)」
 ━━タッグ王座への挑戦権には届かなかったが。
 「今までこのリーグ戦に懸けてきた想いが強かったぶん、負けたからといって気持ちがすぐく切り替えられるわけではないんですけど、いつまでもそんなことも言っていられないかなっていう感じで…正直、複雑な想いはあります。ただ、負けてしまったからには自分に敗因があったかなっていうのは感じるし、WANTEDの連係を阻止することができなかったっていうのが今日の結果の1番大きなところかなっていうのはありますね」
 ━━沙紀とのタッグは継続していきたい?
 「そうですね。今のところタッグとしての評価っていうのも伸びしろを感じてるところはるので、そういったところを伸ばしていけたらいいなっていうのはあります」
 ━━今後に向けて。
 「シングルも敗れて、タッグのベルトに挑戦することもできなかったので…ただ自分の目標の中からベルトが消えたわけではないので、チャンスがれば食い込んでいかないといけないなっていうのは常々あるので。スキあらば狙っていくっていう感じでいきたいと思います」