2月24日(月・祝)
東京・板橋グリーンホール 13時
実に5ヶ月ぶりとなる板橋大会は、新型コロナウイルスの拡散防止対策として試合中の選手以外はマスクの着用が義務付けられて開催。オープニングマッチはLeonと久令愛のシングル対決で、8日前の北千住大会での肩の負傷を感じさせない久令愛は腕十字でLeonをロープに這わせると、ダブルリスト・アームサルトから再び腕十字。しかし絞められながらも強引に久令愛の両足を抱えあげたLeonが、テキサス・クローバー・ホールドでギブアップを奪う。
中森華子はAKARIとの3度目のシングルマッチ。カウンターのフロントキックでAKARIの動きを止めた中森はシャイニング・ウィザードへ。どうにか肩を上げたAKARIに、フィッシャーマンズ・スープレックスでとどめを刺した。
2日前にディアナの新木場大会で伊藤薫&渡辺智子の持つW.W.W.D世界タッグ王座に挑戦した『愛卍』勝愛実&マリ卍は、倉垣翼&松井珠紗とのタッグ対決。倉垣と松井のダイビング・ボディープレス2連弾を浴びた勝だが、追撃を凌ぐとマリとの合体技で松井を攻め込んでいく。倉垣を場外に落とすと、勝が狙いすまして放つエルボースマッシュで松井を仕留めた。
前半戦を終えるとLeonがリングに上がり、デビュー20周年記念興行となる4・29後楽園ホールの対戦カードとしてLeon&アジャ・コング vs AKINO&高瀬みゆき。さらにスペシャルリングアナウンサーをOGの吉田万里子さんが務めることを発表。「吉田さんは私に師匠であってPURE-Jの旗揚げ戦でも対戦した、とても尊敬している方です。アジャ選手も私の師匠で、私がここまで続けてこれたのもアジャ様の存在がすごく大きいと思っています。感謝の想いを試合を通じて広げたいっていうのもありますし、あえて隣りに立つことでアジャ・コングという大きな存在を超えていきたいと思います。AKINOさんはARSION、M’s styleの時にお世話になった先輩で、とても尊敬している先輩の1人です。20年分の私のすべてをAKINOさんの体と心に刻み込みたいと思います。高瀬みゆき選手は『RED SOUL』としてパートナーでもありますし、闘うことでより絆を深めたいと思っています。そしてアジャ・コングという壁を高瀬にも体感してもらいたい思っています。私の20周年記念試合、皆さんどうか見届けてください」とあいさつする。
セミファイナルはKAZUKIと米山香織による『迷勝負数え歌』。試合前にリングに上がったボリショイは「PURE-J道場、門外不出の特殊ルール」として、試合中に汚い言葉を使うとハリセンでお仕置きされる丁寧後マッチを発表。KAZUKIはボリショイが『ボリショイ・チルドレン』として米山に肩入れするのではないかと不服を唱えると、ボリショイは「もう1人、ハリセン係を呼んでます」とOGの春山香代子さんをリングに呼び込んだ。リング内に選手2人とレフェリー、2人のハリセン係という異色の闘いは場外でハリセンが乱打される中、両者リングアウトの幕切れに。試合後もハリセンでのお仕置きは続き、KAZUKIは「今日も決着つかなかったじゃないですか」。米山は「なんなんですかねぇ…? 今日のところはこれぐらいで勘弁しといてあげますよ。またの機会によろしくお願い致します」と困惑しながらリングを降りる。
メインイベントは春日萌花&真琴の持つデイリースポーツ認定女子タッグ王座に、『WANTED☆ウォリーズ』ライディーン鋼&谷ももが挑戦。奇襲をしかけた鋼&谷は真琴を捕らえると合体技で先制するが「ももざんまい」ポーズは不発に。場外戦で形勢を入れ替えた真琴はロープ際で谷を踏みつけると「まこざんまい」。春日と真琴に谷が捕まるが鋼が盛り返し、鋼の両肩に谷が立った状態からのファンタスティックフリップを放つ合体技も繰り出していく。鋼のラリアットから谷が真琴に蒼魔刀を決めるが、春日が間一髪で救出。最後は真琴がフェースバスターからスピアーにつないで貫録を示した。
マイクを持った真琴は、「なんとか無事、防衛成功しましたヤッター! タイトルマッチしんどいです…。なので、しばらく誰も挑戦してこないでください」。続いて春日は、「本日は興行戦争の中、そして新型コロナウイルスで騒いでいる中、会場に応援に来てくれて…ここを選んでくれて本当にありがとうございました! 今日は米山さんと倉垣さんと春山さんと…そして引退したボリショイさんがいらっしゃる中で、どうしても言いたかったことがあります。防衛してから言おうと決めてました。私はこんなにつらいことがいっぱいある中でも、プロレスに来たら笑顔になってもらえると思ってて、そのためだったらどんなにしんどいことをしても、タイトルに挑戦する選手がいっぱい来たとしても、私は防衛していきたいと思ってます!(真琴が困った顔でTのポーズを作る) 今、大変なことがいっぱいあって、女子プロレスも業界再編が叫ばれている中なんですけれども、PURE-Jは先輩がずっと続けてきてくださった伝統がありますよね? 所属してない選手も、所属した選手も、引退した選手も、PURE-Jに関わってる人は“全員野球”ならぬ“全員プロレス”! “全員PURE-J”ということで、私はすべての選手が盛り上げてくれると思うので、また応援に来てください! よろしくお願いします」と熱弁し、会場から大きな拍手が沸き起こる。春日は「次の挑戦者、いつでも待ってるぞ~~っ!!」と締めた。
『~SPRING Fight 2020 Vol.4~』
◆2020年2月24日(月・祝)東京・板橋グリーンホール(13:00)
観衆125人
▼20分1本勝負
○Leon(9分7秒/テキサス・クローバー・ホールド→ギブアップ)久令愛●
▼20分1本勝負
○中森華子(8分45秒/フィッシャーマンズ・スープレックス・ホールド)AKARI●
▼20分1本勝負
○勝愛実&マリ卍(15分26秒/エルボー・スマッシュ→エビ固め)倉垣翼&松井珠紗●
▼迷勝負数え歌~板橋編~・20分1本勝負
▲KAZUKI(7分30秒/両者リングアウト)米山香織▲
※試合中に乱暴な言葉使いをするとハリセンでお仕置きされる特別ルール。ハリセン係はボリショイ代表&春山香代子。
▼ディリ―スポーツ認定女子タッグ選手権試合・30分1本勝負
春日萌花&○真琴(16分10秒/エッジ直々伝スピアー→体固め)ライディーン鋼&谷もも●
※第24代王者組が3度目の防衛に成功。