【レポート】3月17日(日) 新宿FACE 12時

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3月17日(日) 新宿FACE 12:00 「BOLSHOI FINALシリーズvol.4」

PURE-Jとなってから初の新宿FACE大会。試合順は当日発表とされていたが、オープニングマッチにいきなり中森華子と松本浩代が登場。13年前、この場所でのデビュー戦でシングル対決を行なっている2人の同期対決は、中森のキックの猛攻を凌いだ松本がロックドロップ3連発で完勝。右手を差し出す松本だが、中森は応じなかった。

第2試合ではこれまで亀アリーナでしか組まれていなかった『愛卍』(あいまんじ/勝愛実&マリ卍)が初めて通常の大会でお披露目となり、高瀬みゆき&五十嵐乃愛を迎撃。2人でポーズを決めるなど意気揚々のタッグワークを見せ、マリがグラウンドでの卍固めで五十嵐からギブアップ勝ち。PURE-Jマットでの初勝利をあげるとともに、チームとしても初勝利となる。

デビュー19周年のLeonは五番勝負の最終戦として、同期のライバル・米山香織と6年半ぶりの一騎打ち。あの頃と変わらない卓越した攻防で会場を沸かせると、Leonがカウンターのスピアーからクラッチ・デ・ガオーにつないで3カウントを奪取。マイクを持ったLeonは「獅子道五番勝負、最後にオマエを選んで良かったよ。6年半前、ここで試合して…それを思い出した。ちょっとムカつくけど、オマエは私の永遠のライバルだから! これで終わりじゃないからな」。米山は「ちょっとぉ! 勝ったんだからさぁ、最後のマイクで感動させるようなおいしいところは、私に譲れよ! 自分ばっかりいいトコとって…。私はLeonに負けるのが1番悔しいんだよ! 今日負けたのも1分後には忘れるから! 2回でも3回でも勝つまでやってやる!!」と悔しさいっぱいに、ぐるぐるパンチを一撃して走り去っていく。

セミファイナルはボリショイと尾崎魔弓の最後のシングル対決。コマンドかキッドかは当日発表とされていたが、現れたのはボリショイキッドだった。この試合のみJWP旗揚げ時の代表&リングナだった山本雅俊さんがコールを担当。スゴーレフェリーを巻き込んで自身の世界に誘うボリショイだが、憮然として付き合おうとしない尾崎。しかしバルーンやゴムひもを使っての攻撃を見せるボリショイに、ついにはリング上で2人がスキップしながらのイス取りゲームへ。場外戦になると互いの体にチェーンが絡まり、仲良くリングアウトとなってしまった。

メインイベントは『WANTED☆ウォリアーズ』KAZUKI&ライディーン鋼のタッグ王座に『萌え矢っ子』藤ヶ崎矢子&春日萌花が挑戦。開始早々からKAZUKIに波状攻撃を仕掛ける矢子&春日だったが、ピンチを凌いだWANTEDが落ち着きを取り戻すと合体技・太陽の塔から鋼がムーンサルトプレスで矢子を圧殺。王座防衛に成功した鋼は、「2度目の防衛したぞーっ!! WANTED☆ウォリアーズはこれからも防衛し続けるので、応援よろしくお願いします!」と叫んだ。

カーテンコールでは中森が「同期に負けたことは本当に悔しい気持ちでいっぱいなんですけれども、13年間今までずっと関わってこなかった選手で“すぐ次”というのはなかなか訪れないかもしれないけど、必ずリベンジしたいと思っています。4月3日、新木場大会では永島千佳世にしっかり勝って、PURE-Jの未来というものを私が見せていきたいと思っています」と決意表明。続いてボリショイが無差別のベルトと引退試合の相手について言及した。

 

★メインイベント後のマイク
ボリショイ「4月21日、私の引退が本当に目前に近づいてきました。感慨深いものがたくさんあります。今、私が持っている無差別のベルトは3月31日を最後の防衛戦として、4月は自分の引退ロードを突き進みたいと思っています。私の生涯最後の防衛戦の相手に指名するのは…イギリスで高い評価を得た上、私がベルトを防衛したLeon。私たちのイギリスでやった闘いをぜひ日本で。私の最後の防衛戦として…そして私が必ず防衛する。挑戦者としてLeonを指名します」
Leon「ご指名ありがとうございます! イギリスでのあの悔しさを忘れてませんし、ボリショイさんからベルトを獲ること、あきらめてません。ボリショイさんの引退される後楽園で私がチャンピオンとして、これからのPURE-Jを見せることがボリショイさんへの恩返しだと思っています。ベルトを巻いたまま引退はさせないんで、必ず私がベルト獲ります!」
ボリショイ「そして引退試合の相手を発表したいと思っています。いろいろ考えましたが、引退試合の相手は心の中に3人います。3人の選手とそれぞれ闘って、それを私の生涯最後のプロレスラーとしての闘いにしたいと思ってます。まず、そのうちの1人を今日発表します。…尾崎魔弓!」

(尾崎がリングイン)
ボリショイ「私はボリショイキッドだけじゃないんだよ。コマンドボリショイとしてもあなたと闘わなければ、私は終われない」
尾崎「いいよ」
ボリショイ「私はあなたがいたから、こんなに長くプロレスをやることができました。ずっとずっと、離れていても活躍は見ていたし負けたくないと思っていたし、勝手に宿命のライバルだと思ってやってきました。絶対に私はあなたを超えなければいけないとずっと…ずっと思ってきて。そして私が最後の相手を考えた時、やっぱりあなたしか思い浮かびませんでした。よろしくお願いします」
(握手を交わして)
尾崎「その代わり、ぶっつぶすからなオマエ!」
ボリショイ「私がぶっつぶします」

以下、各選手のコメント

★コマンドボリショイ
「本当に今日の今日まで“どっちがいいかな? キッドかな? コマンドかな?”というのは正直、決めきれてなくて。今日の夜、OZアカデミーに参戦するので“とりあえず両方用意しとこう”と思って。やっぱり最後は原点に帰ろうと思って、ボリショイキッドで闘わせて頂きました」
━━キッドとしての試合は今日で最後?
「まだあります。化粧品がなくなりそうなんですけど、買い足すかどうか悩むところですね(苦笑)」
━━引退試合の相手が3人?
「今まで引退してきた人たちがすごいなと思うのは、“最後のひと試合”を決めきれなくて。いろんなキャラクターをやったのもあるかもしれないけど、それだけの長いプロレスラーとしての時間だったのかなというのもあるんですけど、1人に絞ることができなくて…。それだったら今思い当たる3人と、全員とやろうと思って。1人は尾崎魔弓。そこで“じゃあ今日はボリショイキッドで行こう”っていうのは自然に考えられたんですけど」
━━あとの2人は?
「心の中では決まってます。まだ言うタイミングではないかなっていうのは…。シングル3試合になります」
━━イギリスでのLeonとのタイトルマッチは現地での評価は?
「もうビックリするぐらい高くて…なんか日本ではちょっと考えられないような感じでしたね。最初は“ボリショイ!”とか“Leon!”とかそれぞれのファンが応援してたんですけど、気がついたらPURE-Jコールになっていて。“あなたたちすごいよ!”みたいな感じの評価を頂いて、試合が終わってバックステージに帰ってきても“すごいすごい”って。でも私はこの闘いを日本でも見せたいなと思って。イギリスだから特別なことしたわけではなくて、PURE-Jの無差別のベルトは世界標準でありたいと思うし、そのぐらいすごい試合をやって私の最後の防衛戦を終えたいので。もう相手はLeonしかいないなって…PURE-Jの選手と最後やりたいと思って。このベルトの最高水準を見せられる相手としてLeonを指名しました」
━━3・31名古屋で防衛したらチャンピオンのまま引退する?
「はい、そうです。私が1番望んでなかった形かもしれないけど、でも…やっぱりそこは鬼にならないといけないなと思って。PURE-Jの未来のためにみんな足をそろえるんじゃなくて、最後まで進化し続けるコマンドボリショイをみんな全力で追いかけてくるしかないんじゃないかなって。PURE-Jの未来について、そう思ってます」

★尾崎魔弓
「私はコマンドが来るものだと思って戦闘態勢バッチリだったんだけど、まさかのボリショイキッドだから、なんかずっこけた(笑)。ボリショイキッドのほうが久々すぎて、ちょっと楽しかったのはあるけど…本音はおもしろかった!(笑)。J(WP)を辞めてからボリショイキッドとは当たってない気がするから…あの当時をちょっとだけ思い出したかな」
━━引退試合の相手に指名されたが。
「“あぁ、だからか”と思った、今日ボリショイキッドだったのが。引退相手に私を選んでなかったら、今日はコマンドで来たはずだったと。やっと謎が解けた感じ。これもホント正直な話、意外。引退の相手に選ばれると思ってなかったんで…嬉しいような寂しいような複雑な気持ちかな。入ってきた頃から知ってるから、やっぱりほかの選手とは違う感情はあるし、何年か前はJWPのベルトを懸けてやったりとか。腹立たしい存在でもあるし、可愛い後輩でもあるし、みたいな感じかな。なんかよくわかんない。複雑!(笑)」
━━リングで目が潤んでいたように見えたが?
「全然潤んでないよ。まだ引退してないからね。もうプロレスに未練なくなるぐらい、“もう1回やりたいな”と思わないぐらいに、叩きのめしたいなと思ってる」

★KAZUKI&ライディーン鋼
KAZUKI「今回はちょっと私がしょっぱなからやられてダメダメだったんですけど、最後鋼が締めてくれたので良かったです。鋼も成長してくれたんだなと思って、安心して隣りで見ていられるようになりました」
鋼「そうですね。ちょっとだけ強敵かもしれないですけど…でも、やっぱりこうやって2度目の防衛できてホントに良かったです」
━━次の防衛戦について。
KAZUKI「『真華不思議』(中森華子&真琴)とやってみたいですね。あと『カワイルド・ビクトリアズ』(勝愛実&SAKI)ともやってみたいです」

★Leon
「米山がJWPを退団してから初のシングル、ずっと私は待ち望んでいたんですけど、19周年5番勝負の最後の相手として選んで、間違いではなかったと確信しました。でもこの闘いが終わりじゃなくて、またこれからどんどんお互い刺激し合って闘っていきたいと思いました。やっぱり同期は1番負けたくない相手なんで」
━━五番勝負を振り返って。
「若手からベテランの永島(千佳世)選手までいろんな選手と対戦したんですけど、若手と当たった時は忘れかけてた初心や、がむしゃらさを取り戻すというか思い返すことができましたし、永島さんと初シングル…これだけ19年やっても初めて闘って、すごい刺激のあった闘いだったんで。20年目に入るにあたって、五番勝負をやって良かったと思ってます」
━━来年は20周年になるが。
「正直、デビュー前はここまで続けてこれるとは思ってなかったんですけど、やっぱりいろんな人に支えられて、応援してくださってる皆さんのおかげでここまで続けてこられているので、その感謝の気持ちをこれからも試合で見せていきたいです。そしてPURE-Jのトップとして、PURE-Jを私が引っ張っていきたいと思います」