【レポート】8月29日(日)板橋グリーンホール 17時半

Pocket

 3年前に病気のため逝去された覆面女子プロレスラー・Rayさんの追悼大会。試合前には選手たちがリングに上がり、ボリショイ代表は師である山本小鉄さん、KAZUKIは故・亜利弥’さん、LeonはRayさんの遺影を持って黙祷が捧げられた。ボリショイは「師匠の山本小鉄さん、そして戦友の亜利弥’、そしてRay選手…みんなが大好きだったプロレスの明かりを消さないように、私たちはこれからもプロレス界を盛り上げていけるように頑張っていきたいと思います」とあいさつ。続いてAKARIがワクチン接種後の副反応による発熱、レフェリーのテッシー・スゴーがコロナウイルス陽性となり療養期間を終えたものの体調が万全ではないため欠場することを報告し、「皆さんが安心して選手を応援できるように努めていきたいと思います」と話した。

 第1試合は8・9後楽園で行なわれるはずだった久令愛と大空ちえのシングル対決。久令愛の差し出した右手を大空がはたいて握手を拒否し、激しい蹴り合いから試合がスタート。大空が左右に大きく回転させるダイヤル固めからフォールを狙うが、体勢を切り返した久令愛が3カウントを奪いガッツポーズ。5月に敗れているリベンジを果たした。
 7ヶ月ぶりとなるKAZUKIと米山香織の『迷勝負数え歌』は、試合前にレフェリーのボリショイを交えてのルールミーティング。米山は「原点回帰」として水たまりルールをアピール。KAZUKIは亀アリーナからバット、ハリセン、ブルロープを持参し公認凶器が使用可能なルールを主張する。米山は「Rayはすごく好奇心旺盛だったので、何でもやったらいいんじゃないですか?」と受け入れ、双方の主張を混ぜ合わせた特別ルールが決定。さらに米山は「負けた選手は勝った選手の言うことを何でも聞く」という条件も追加して試合開始。リング中央に置かれた水たまりを巧みな体さばきで避けながらの攻防を展開。KAZUKIがコーナー最上段からジャンプしてのニーアタックを狙うと、米山はバットを一閃して空中のKAZUKIのスネを殴打。さらにもう一撃を加えて水たまりに落下させて勝利すると、米山はKAZUKIを引き連れて退場していく。
 休憩時間明けにはボリショイがギターとともにリングに上がり、Rayさんの持ち歌である『Daybreak』を披露。Rayさんの歌声も会場に流れ、ボリショイは「Ray選手が一生懸命思いを込めて作った歌を、これからも歌っていきたいと思います」と話す。

 セミファイナルはAKARIの欠場によるカード変更により、ライディーン鋼・真琴・三浦亜美による3WAYマッチに。真琴は何度かタッグを組んだことのある“高身長美女タッグ”をアピールして開始前から三浦と結託するが、背後から三浦を丸め込もうとして決裂。鋼がヨコスカ・カッター、ラリアット、コーナー最上段からの100kgプレスとたたみかけて三浦を圧殺した。

 メインイベントは中森華子&山下りなの持つデイリースポーツ認定タッグ王座に、前月の板橋大会で闘って認め合ったLeon&チェリーが挑戦。Rayさんとの思い出のコスチュームでリングに立ったLeonは、チェリーとの合体パワーボムで中森を叩きつけると、チェリーがチェリトーンボム、Leonがマッド・スプラッシュと中森を追い込む。山下との連係から息を吹き返した中森はLeonに対し、シャイニング・フラワーから鎮魂歌ドライバーを放つがチェリーがカットに。Leonの手首を持ったままハイキックを連打する中森だが、身をかがめてかわしたLeonは手首をロックしたまま前方回転。マロマ・デ・レオンで3カウントを奪い勝利すると、かねてから目標に掲げていたPURE-J初のシングルとタッグの2冠チャンピオンに輝いた。カーテンコールでLeonは「これからもRayちゃんの想いを胸に、一緒に闘っていきます! そして小鉄さん、亜利弥’さん、Rayちゃんが愛したプロレスを私たちも愛し続けて、女子プロ界を盛り上げていきます!」と宣言している。
 
★メインイベント後のマイク
 Leon「ベルト獲ったぞーっ!! 山下・中森組、メチャメチャ強かったけど、皆さんの応援のおかげで勝つことができました! 『ガンバRay』という大事な日にチェリーちゃんと、このベルトを巻くことができて本当に嬉しいです! 天国のRayちゃんも今日の試合を見てくれてたと思うし…私たちのベルト姿、届けることができて本当に嬉しいです!」
 チェリー「Leonさん! 私たちチャンピオンになったということで、最低でも100回は防衛しましょう!(笑) 100回防衛するためには、いつなんどきでも、誰の挑戦でも受けようじゃないですか!」
 
 (米山がKAZUKIを連れてリングへ)
 米山「私たち『ゴキゲンな膝小僧』が挑戦しま~す!!」
 チェリー「Leonさん、さっそく現れてくれましたよ!?」
 KAZUKI「いやいや違う違う! なに言ってんの、ヨネちゃん? 私は今、鋼と挑戦しようと思ってたんだよ!」
 米山「さっき約束したじゃないですか。負けたほうが勝ったほうの言うこと聞くって」
 KAZUKI「ダメ! 私には鋼や(谷)ももちゃんがいるの! 裏切るわけにはいかない!」
 米山「ハァ…(ため息)、これ裏切りじゃないですよ。今まではWANTEDを組んで絆を深めてましたけど、今度は対戦することでお互いを高め合う。我々がこのベルトを獲ったら初防衛戦の相手はWANTED・ライディーン鋼&谷もも組。これからのWANTEDは対戦することでも高め合える…そんないいチームになると思いませんか!? (会場からの拍手を受けて)鋼! KAZUKIさんを踏み台にしてタッグベルトを狙うべき時だよ! あとKAZUKIさんよく“女に二言はない”って言うじゃないですか。やりますよね?」
 KAZUKI「確かに女に二言はないけども…ゴメン鋼!! 約束は約束だから」
 米山「KAZUKIさんは約束を守るWANTEDの誇るべきリーダーだよ」
 KAZUKI「でも気持ちは『ゴキゲンな膝小僧』じゃなく『WANTED☆ウォリアーズ』だから!」
 鋼「リーダーがそう言うんだったらね」
 米山「チャンピオンさん、どうですか!?」
 チェリー「なんかゴチャゴチャ言っててよくわからないんですけど…さっきお客さんがすごい拍手をしてくれていたし、私シングルでKAZUKIさんにココで負けているので、私にとっては納得の挑戦者だと思うんですが…Leonさんどうですか?」
 Leon「100回防衛するし“誰の挑戦でも受ける”と言ったんで、受けてやるよ!」
 米山「いついつ? 早くやりましょ!」
 Leon「じゃあ次の板橋、9月12日。チェリーちゃん空いてる?」
 チェリー「空けます!」
 米山「よし! ベルト獲るぞ~~~っ!!」


★Leon&チェリーのコメント
 Leon「チェリーちゃんとは初タッグかな?」
 チェリー「タッグでベルトとか挑戦するのは初めてですよね」
 Leon「ぜんぜん安心感というか、もうチェリーちゃんが隣りにいたらベルト獲れる自信があったんで。一緒に『息吹』練習に参加してたし、Rayちゃんとゆかりのあるチェリーちゃんとベルトを巻くことができて嬉しいです!」
 チェリー「『ガンバRay』という大会で、ホントにこんなチャンスもなかなかないと思って、ここでつかまなければいけないと思って。Leonさんはホントに強くてカッコ良くて、私さえ負けなければ絶対にベルトは獲れると思っていたので(笑)。最後も華麗にLeonさんが決めてくれてホントに心強い先輩なので、ベルトをまずは100回。最高防衛回数を作っていきたいと思います!」
 ━━最初の挑戦者チームがKAZUKI&米山香織に決まったが。
 Leon「なんかいつも抗争してる2人なんで、チームワークはどうなのかな? って思うけど…」
 チェリー「対戦相手ながら心配になっちゃいますね。大丈夫なのかなと思って」
 ━━Rayさんが亡くなって3年になるが今の思いは?
 Leon「Rayちゃんとは『ボラドーラスL×R』というタッグチームでこのベルトも巻いてて、一緒に飲んだり…後輩なんですけどすごい包容力があってお姉さん的な存在で。でも、今も天国で見守ってくれてると思うんで、このベルトをチェリーちゃんと一緒に守っていきたいと思います」
 チェリ-「Rayさんは私の1コ先輩で、本当に優しくしてもらった思い出しかなくて。試合で対戦したり組んだりっていうのはたくさんあって…試合や練習を通じて絆とか深まっていった、本当に大好きな先輩だったので。今こうしてLeonさんとベルトを巻いた姿をきっと見てくれてると思うので、良い報告がRayさんにできて良かったと思います」