【レポート】8月30日(日)新木場『ガンバRay2020』18時半

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8月30日(日)新木場1stRING 18時半
『ガンバRay2020』
 2年前に悪性脳腫瘍のため逝去されたRayさんの追悼大会。試合前には黙祷が捧げられ、コマンドボリショイは「今日は私たちの仲間であるRay選手の命日ということで、Ray選手が大好きだった女子プロレスで追悼したいと思います。Ray選手に捧げるひと試合ひと試合、そしてRay選手が作った歌をのちほど、心を込めて歌わせて頂きたいと思います」とあいさつ。Leonは「Rayちゃんが亡くなって2年経ちます。でも、今でもRayちゃんの魂はずっと私たちの心で生き続けているんで、今日は精いっぱいの熱いファイトをRayちゃんに、そして皆さんに届くように頑張りたいと思います!」と話し、試合がスタート。
 PURE-Jとセンダイガールズの新人同士による対抗戦は、久令愛がダブルリスト・アームサルトから変形のドラゴンスリーパーにつないで岡優里佳からギブアップ勝ち。岡は久令愛の手を振り払い、握手を拒否する。




 大空ちえは米山香織を相手にフライング・ショルダータックルの連打や丸め込みで勝機を伺うが、米山が後方回転から押さえ込んで完勝。




 8・10後楽園で流れてしまった『愛卍』勝愛実&マリ卍と松本浩代&優宇のタッグ対決は、激しいぶつかり合いを展開するも15分で決着つかず。

 セミファイナルではライディーン鋼&谷ももが半年ぶりにデイリースポーツ認定女子タッグ王座に挑戦。奇襲を仕掛けて先制するとその後も渡り合い、鋼は山下と中森を連続のバックドロップで投げ捨てると、100kgの巨体から放つムーンサルトプレスが炸裂。しかし山下のカットに救われた中森が息を吹き返すと、バズソーキックで鋼から3カウントを奪い初防衛に成功した。マイクを持った中森は「よっしゃ防衛したぞーっ!! このデイリースポーツのベルトはかつてRayさんも巻かれたベルトです。今日もこの大会をどこかで見守ってくださっていると思っています。このベルトをもっともっと輝かせるためにも、私たち『浪速残酷楽園』(なにわ・ざんこく・ぱらだいす)で防衛していって強くなっていきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします!」と叫ぶ。
 メインイベントはLeonの持つ無差別級王座にKAZUKIが挑戦。リングインとともにRayさんのタオルを大きく掲げたLeonは、フライング・クロスチョップや619などRayさんの得意技を披露。一方のKAZUKIはコーナー最上段からのKソード(背後からのダブルニー)を初公開すると、通常のKソードから久々のタイガードライバーを繰り出すなど勝利への並々ならぬ執念を見せるが、最後はLeonのエアレイド・クラッシュで決着。
 初防衛に成功したLeonは「皆さん、応援ありがとうございました! そしてRayちゃん、見守っていてくれてありがとう!! この勝利を私の永遠のパートナー・Rayに捧げたいと思います。これからもRayは皆さんの心にずっと残っていくし、私の心にもずっと残って…Rayの魂も一緒にこれから闘っていきます。今日は見届けてくださり、ありがとうございました!」と話し、手をクロスさせるRayさんのポーズを選手全員で作った。
▼休憩時間明けに、ボリショイがRayさんの持ち歌である『Daybreak』を披露。Rayさんの歌声も流れ、ボリショイと歌い分ける場面も。
以下、各選手のコメント

★Leon
 「去年チャンピオンになった時は初防衛戦で負けてしまって本当に悔しい思いをしたんで、今回KAZUKIさんという強敵だったんですけれども無事に勝つことができて、そしてRayちゃんの命日に勝利を届けられて本当に良かったと思います」
 ━━コスチュームについて。
 「“女ハヤブサ”Rayが(超戦闘プロレス)FMWさんに出てて、そのあと欠場になっちゃった時に引き継いだコスチュームです。テーマ曲も今日から『ボラドーラスL×R』(Leon&Ray)の時に使っていた曲を、Leonのテーマ曲としてこれから使っていきます。Rayちゃんの思いも一緒にこれから闘っていきたいと思います」
 ━━Rayを意識しながら闘った?
 「そうですね。やっぱりフライング・クロスチョップはRayと2人で連係で決めてた技なので。あとRayの得意技の1つだった619は今日、Rayちゃんに捧げるためにもやりたかったんで。成功して良かったです」
 ━━今後の防衛戦について。
 「このベルトを心底欲しいっていう強い気持ちを持ったレスラーとだったら、誰とでもやりたいと思います。強い相手と防衛してベルトの価値をもっともっと高めていきたいと思います」
★愛卍
 勝「でも、やっぱりドローは悔しいですよ。勝ち負けのつかない…私の中で引き分けは負けだと思っているので。15分以内に決めるべきだったと思うし、だけど3周年の後楽園の時も愛卍は引き分け(vs鋼&谷もも)でしたけど、その時の引き分けとはずいぶん意味合いが違うんじゃないかなって思ってますね」
 マリ「自分はやっぱり、ここで結果を残せなかったっていうことがホントに、とにかく心残りとしか言いようがなくて。それにやっぱり“オマエ変わったな”っていう言葉が松本さんから出なかったことも、それも“この試合の結果だったんじゃないかな”って思うし…。去年と比べたら愛卍は変わったって絶対思ってるのは間違いないけれども、自分が思ってたって周りとか対戦相手に伝わってなければ、それは意味がないし…。ただ、やっぱり自分たちは打たれ強く、たくさん悔しい思いしても前を向いていくことが強みだと思ってるので。そこは腐らないように、そしていつか“愛卍は最高のタッグチームだ”って松本さんに言わせるように頑張りたいと思います」
 ━━8月の後楽園との意味合いの違いとは?
 勝「浩代選手も優宇選手もいろいろな団体とかで結果も残してますし、プロレス面の内容の充実さというか…やっぱり違うのかなと思うし、でも愛卍の原点っていうのは昨年末に行なわれた2番勝負(※vs橋本千紘&優宇、vs松本浩代&DASH・チサコ)、それがデカかったなと思うし、その相手と今日8ヶ月ぶりに対戦したっていうのを含めて、この15分ドローというのは、それを踏まえてだったと思います」
 ━━後楽園では山下りなが「メインに所属が1人しかいない」と発言したが。
 勝「行動で示していきたいっていうのが大きいのと、愛卍はまだ実績もないですし…。ただ口だけで“(ベルトに)挑戦したい”って言ってもお客さんのノリ方とかもずいぶん違うし、説得力も…。“口だけじゃねぇか”って言われるのが目に見えてるので。やっぱり大きな結果を残してこそ、物事には段階っていうのがあるのかなと思うし。それをすっ飛ばして結果だけ求めても、ついてこないんじゃないのかなっていうのがあったので。なかなか行動に移せてないっていうのが1つありますね。出たい気持ちはもちろんありますし、どんどんタイトル戦にも自分たちが上がっていかないといけないなっていうのはあります」