【レポート】8月11日(日) 後楽園ホール 11:45

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8月11日(日) 後楽園ホール 11時45分
「旗揚げ2周年記念興行 レインボーマウンテン 2019」
 PURE-Jの旗揚げ2周年記念として開催される後楽園ホール大会。入場式では選手を代表して中森華子が、「本日はPURE-J2周年大会にお越しくださいまして、誠にありがとうございます! ボリショイさんが引退されてから初の後楽園ホール大会です。3年目のPURE-Jも皆様に愛されるような団体になるよう、精いっぱい頑張りたいと思います」とあいさつ。続いてサインボール投げが行なわれた。


 第1試合ではPURE-J生え抜き3人目となる久令愛(くれあ)が、憧れの存在であるKAZUKIを相手にデビュー。グラウンドで腕十字を狙う久令愛は、対角線を走っての串刺しドロップキックなど果敢な攻撃を見せ、KAZUKIをボディースラムで投げることにも成功。しかしニーリフト1発で流れを変えたKAZUKIはコーナーからのニードロップで3カウントを奪うと、試合後は久令愛を抱きしめた。






 AKARIは米山香織と2度目のシングル対決。チョップの連打や変顔キャメルクラッチなど米山のペースで試合が進む中、AKARIもコーナー上での腕十字やヒザ立ちでのアルゼンチン・バックブリーカーで対抗。それでも米山を追い込むまでに至らず、雪崩式のダブルリスト・アームサルトからセントーンにつないだ米山がキャリアの差を見せつける。




 第3試合は2フォールカウントルールによる3WAYマッチでLeon、小林香萌、ジャガー横田が対戦。Leonと小林はそれぞれジャガーを味方につけようと勧誘するが、たび重なる裏切りにジャガーが激怒し、2人をまとめてコブラツイストに捕らえていく。3人が入り乱れる丸め込みの攻防から、ジャガーがLeonにフィッシャーマン・バスターを放つが小林がカット。最後はLeonのスピアーが小林を捕らえて試合が決まった。






 第4試合はPURE-J期待の新鋭タッグ『愛卍』勝愛実&マリ卍が、松本浩代&山下りなと激突。連係で活路を見い出そうとする愛卍は、マリが山下にストレッチ・プラムを決めるが松本がカットに。勝と山下がラリアットを応酬で会場を沸かせると、松本と山下のサンドイッチ式のラリアットから松本がライガーボム。最後は必殺のロックドロップで松本が勝を仕留めた。













    前半戦4試合が終わると、ボリショイが入場曲に乗ってリングに上がりヌンチャクの演武。「2年前の今日、後楽園ホールで旗揚げをし、そして1年前の今日ここで引退発表をし、そして今日こうして満2周年。3年目を迎えることができました。本当に皆さん、応援ありがとうございます。皆さんの声援の1つ1つが選手の励みになっています。これからも熱い声援を変わらず、よろしくお願いします。私たちはまだまだ未熟で本当に不安なこともたくさんあります。PURE-Jがこれからも5年、10年、20年と続いていく団体になっていけるように、どんな『雨のち晴れ』という気持ちで乗り越えていきたいと思っています」とあいさつし、手話歌を披露する。




 セミファイナルは『WANTED☆ウォリアーズ』KAZUKI&ライディーン鋼の持つデイリースポーツ認定女子タッグ王座に、春日萌花&真琴が満を持して挑戦。7・28北千住大会でKAZUKIが真琴に秒殺された経緯もあり、奇襲を仕掛けたWANTEDは鋼のジャーマン、KAZUKIが蒼魔刀と秒殺狙い。これを凌いだ春日&真琴は、春日が場外へのプランチャを放つと続いてコーナー最上段から場外へのフットスタンプで追撃。一撃の重さで上回るWANTEDに気迫で対抗するが、鋼が春日を捕らえてラリアットの連打からバックドロップ、さらにムーンサルトプレスへ。真琴が間一髪で救出すると、WANTEDが合体技・太陽の塔を狙うが真琴がキックで阻止。分断された鋼を春日がウラカンラナで丸め込んで3カウントを奪い、悲願のベルトをついに獲得した。


★セミファイナル後のマイク
 春日「タッグチャンピオン・WANTED☆ウォリアーズに挑発されて“オマエみたいな薄っぺらい体じゃチャンピオンにはなれねぇぞ”と言われて…ポテトチップスを毎日食べていたんですけれども、ウエストが3センチ増えました。それでもまだこのベルトは緩いです。PURE-Jに参戦した去年の夏、ボリショイさんとかどう考えてるかわからなかったけど、私は“この団体になんとしても呼ばれる人間になってやる”と、そして“この団体でベルトを獲ってやる”と、最初に参戦した時からずっと思っていました。真琴と出会って、昔の後輩で昔はいっぱい怒ったんですけど、それでも組んでくれて。こうやってベルトを巻くことができました。ここまではベルトを獲るための、自分を高める時間でした。ここからはこのベルトを保持するために、自分を高め続けたいと思います! PURE-Jのベルトを持っているということは、他団体だろうがフリーだろうが関係なくPURE-Jの顔です。中心です! チャンピオンとして恥ずかしくない人間になるし、人間で居続けます。…つきましては、このベルトを磨き続けるため、そして己を磨き続けるために私は、(大きな声で)今すぐにでも防衛戦をしたいと思う! 誰か名乗りを上げるヤツいないか~っ!?」
 (米山とAKARIがリングイン)
 AKARI「ワタシ、頑張ります。(続きはスペイン語で話す)」
 米山「OKOK(笑)、つまりそういうことだよ! そっちは先輩後輩タッグ。私たちも直接の先輩後輩じゃないけど、ボリショイさんの遺伝子を継ぐ姉妹タッグとして挑戦させろーっ!!」
 春日「わかりました。私、PURE-Jのスケジュールとかメチャ把握してるんで、“8月18日、板橋グリーンホール大会で防衛戦”って、訳して(AKARIに)言っといてください」
 米山「私も空いてる。ボリショイさん、いいですか? (ボリショイがOKを出すと)やった!AKARIに)ネクスト板橋でチャンピオンシップ! 勝つぞ~っ!!」
 春日「いきなりの防衛戦が決まりました。実は私、米山さんに勝利したことがありません。なので実はすごく今から緊張してるんですが…チャンピオンらしい試合をしますから! 皆さんぜひ応援に来てください。よろしくお願いします!」





 メインイベントは中森華子の持つPURE-J無差別級王座に永島千佳世が挑戦。「ボリショイが引退したらPURE-Jは終わり」という発言以来、中森をほんろうし続けてきた永島との決着戦は、永島の奇襲からスタート。場外に設置したテーブルの上に中森を寝かせた永島はコーナーからのフットスタンプを投下すると、凶器攻撃で中森を流血に追い込む。その後もリング内に持ち込んだイスでの攻撃など永島のペースで試合が進むが、毒霧をイスを楯にして阻止した中森は、ハイキックから鎮魂歌ドライバーを2連発。丸め込みで食い下がる永島のバックを取った中森が破天荒を決めて勝利すると、次期挑戦者に松本浩代を指名。最後はPURE-J8選手による「これからも盛り上がっていこうJ(ジェイ)!!」で大会を締めた。











★メインイベント後のマイク
 中森「おい永島、私がいるからPURE-Jは3年でも4年でも、これからもっともっと続いていくんだよ! もう2度とオマエに“PURE-Jは終わり”だなんて絶対言わせねぇからな。でも、私は何度だってオマエと闘ってやるよ。何度だって私が勝ってやるよ!」
 永島「これで終わったと思うなよオマエ。私がもっとこのPURE-Jをかき回してやるよ! たまに、つぶれてないか見に来てやるよ」
 中森「(客席に向かって)今日防衛したら言おうと思ってたことがありました! もう次の防衛戦の相手・場所、決めてます。9月29日、花やしき大会でタイトルマッチをやりたいと思ってる。まっちゃん! 松本浩代! まっちゃんは同期でデビュー戦の相手。私はずっとずっと…1度も勝てなかったけど! ずっと意識してて、いつかこのベルト懸けてやりたいって思ってたんだよ。その“いつか”が今なんだよ! このベルト懸けて私と闘ってくれ!」
 松本「あきらめ悪いね、華ちゃん! でもねぇ、断る理由はありません(笑)。やるからには私も本気で狙っていくからね。よろしく(握手を交わす)」






以下、各選手のコメント

★久令愛
 「もう感無量っていうか…! KAZUKIさんとデビュー戦ができたってこと自体がホント幸せなので。その嬉しさと、負けたという悔しさで…もういろんな意味での涙がすごいこみ上げてるんですけど。ホント幸せです。“緊張して仕方ないのかな?”と思ったら意外とそんな感じじゃなくて…もうリングに立ってなんか皆さんがいる景色の中にいたら、なんか“大丈夫だな”って思えてきて。自分が今までしてきたことを全力を見せるだけと思ったので、緊張しなかったです」
 ━━全部を出し切れた?
 「“もっとできたのにな”って。これからの自分のプロレスラー人生としての中で1番悔しい試合だと思うんで、どんどん成長していけたらなって思います。PURE-Jの中でサブミッションを使うAKARIがいるんですけど、AKARIとはやっぱり張り合っていきたいので、対抗できるように練習していきたいです」
 ━━目標のレスラーは?
 「私がこのプロレスっていう世界を目指すきっかけになったのはKAZUKIさんですし、デビュー戦もKAZUKIさんっていう…。今までもこれからもずっと私はKAZUKIさんを目標にやっていきます」

★春日萌花&真琴
 春日「たぶん…人生の中でベスト3に入るぐらい嬉しいです! メッチャクチャ嬉しいです! みんなこんな気持ちを味わってたんですね。私は全然知らないまま10年ぐらい過ごしてしまいました。それは自分というものの表現の仕方をわからなかった、自分のせいです。リングの上では想いがいっぱいあって全然、言いたいことの1割も言えなかったんですけど、改めて言わせてください。PURE-Jの選手が、そしてデイリースポーツとしてはたくさんの先輩方が巻いたベルトです。たくさんの人の愛着のあるベルトです。それを自分が獲ることができたのも、今ずっと応援し続けてくれてるファンの人だけではなく、離れてしまったけれどもずっと私と一緒に闘ったり練習したりしてくれた人たちがたくさんいました。すべての出会った…プロレスというものでつながった人に心から感謝しています」
 真琴「自分も個人的にこのベルトには5回ぐらい挑戦してて全部負けてて…。自分が直接勝ったわけではないんですけど。春日さんが私の初めての直々の先輩で、けっこう怒られてて1番怖い先輩だったんですけど…こうしてPURE-Jさんの由緒あるベルトを2人で巻くことになるなんてホントに夢にも思わなかったですし、何が起こるかわからないなって」
 ━━対戦相手について。
 春日「憎しみが1発1発にこもっていて…。いま振り返ってみればライディーン鋼っていう選手を冷静に見ると打撃の数はもしかしたらいつもより少し少ないぐらいだったかもしれないんですけど、1発1発に重みがあって…。私はすごいアイツに噛みついたけど、アイツなりにギッタギタに対する気持ちを試合中に感じました」
 真琴「物理的に重いので…私もこれからいっぱいチョコレートを食べてヘビー級に転向…やっぱ止めます(苦笑)」
 ━━次週にAKARI&米山戦が決まったが。
 春日「たくさんたくさん防衛戦をして正直、紙一重でもいいと思っていて。力の差があったり、先輩方の来ることもあるでしょうから、キャリアの差もあったりするでしょう。“もしかしたら獲られちゃうかも?”ってぐらいにメッタメタにやられる試合ばっかりかもしれないけれども…そこはみんなが信じてくれてると思います。フレッシュなAKARIと“試合巧者”と言っていいんでしょう米山香織選手と、防衛することによってベルトを光らせることができると思うので。そして自分に対する経験にもなると思うので、なんとしても防衛したいと思います」
 真琴「正直、もうちょっとベルトを獲った余韻に浸りたかったなって思ってるんですけど…(苦笑) 自分も勢いで春日さんについていきます!」


★中森華子
 「永島の返り血を浴びるために白いコスチュームにしてきたのに…自分の血を見てしまって。でも、私は今まで永島に勝てなくて、永島がやってきたイスだったり、そういうのをやり返しても勝てなかったので。今日は自分を信じて、今までやってきたことをすべてやって勝ちにつながったと思ってます。ボリショイさんが引退して不安だったり心配してる選手もいたと思うし、そういう意味では永島はいろんなことを気づかせてくれた選手かなとは思います。だけどやっぱり憎たらしいし、今後また上がってくるのであれば何度だって倒してやりたいと思ってます」
 ━━PURE-J2周年大会でメインを締めたが。
 「旗揚げしてから後楽園大会は…前回ボリショイさんの引退がありましたけど全部私がメインを張ってきて、2周年を迎えて集大成という大会で私がこのベルトを巻いてるってことは、私がPURE-Jの顔だなというのは思います。私しかいないと思っています」
 ━━次の挑戦者に松本浩代を指名したのは?
 「デビュー戦同士からもうずっと13年間意識してる相手ではいたんですけど、正直ずっと松本は私の上を行っていて、ライバルだっていうふうに口に出すのも恥ずかしいとさえ思ってた。でもJWP、PURE-Jの無差別のベルトを巻いて団体を背負ってここまでやってきて、いつかベルトは懸けたいと思ってたけど、それが今だなと思ったので。今日は必ず防衛したら伝えようと思ってました。今までホントに13年間、1度も勝ったことがなくて…でもやっぱり勝たなければならない選手だと私はずっと思っていたので。来月必ず松本から勝ちたいと思っています」