【レポート】3番勝負~100%ピュアバトル

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「GW板橋3DAYS祭り」でおこなわれた中島安里紗の「3番勝負~100%ピュアバトル」。初日が花月で、2日目が藪下めぐみ、そして最終日が志田光との一騎打ちだった。

無冠となった中島がみずから望んで実現させた3大シングルマッチ。花月とは再デビュー当時、試合感覚がうまく取り戻せずにモヤモヤしていた自分を爆発させてくれた相手だったという。過去にシングルが決まっていたものの中島のケガで流れてしまった経緯もある。だからこそ、この機会に一騎打ちで闘ってみたかったのだ。

第2戦の藪下めぐみとは、意外にもこれがシングル初対決だった。ときどきJWPに上がっている藪下だが、不思議と中島と当たる機会は少なかった。JWPの道場でも練習する藪下から学ぶことは多いと中島は言う。藪下の闘いぶりは淡々としているものの、その実力は侮れない。それが存分に発揮されたのが、2日目の中島vs藪下だった。「(藪下のような)確かな技術がまだ私には足りない」と中島。それは、ここぞというときに開ける引き出しのこと。「勢いでここまできた」という中島からすればある意味で憧れの存在なのだろう。

そして迎えた最終日の志田光。過去に3回シングルをおこなっているが、10分、15分の時間切れがすべてで決着はまだついていない。初となるJWPでの一騎打ちで、中島がこの試合においていたテーマはもちろん「決着」だった。しかし、今回もまた白黒つかずのドローに終わってしまう。「次は絶対に決着をつけるからおぼえとけ!」と中島。志田は「次は案外近いかもしれない」と近い将来の再戦を示唆する発言。志田がその気であれば、JWPはいつでも舞台を用意するだろう。4回闘ってすべて引き分けでは、どんな内容だろうとモヤモヤは残る。現在の中島に失うものはなにもない。勝敗にかかわらず3番勝負の2戦でテーマは遂行された。それだけに、最後の志田戦は今後への宿題となったのだ。

では、3番勝負を終えて中島はなにを思ったのだろうか。

「やっぱり私に足りないものが見えてきたし、同時にプロレスって最高だと思いましたね。あと、やっぱり自分が一番じゃなきゃなにをしてもあまりおもしろくないと感じました。ベルトをもってこの3番勝負ができたら、もっと違ったんじゃないかな。無差別を取り返すことがやっぱり第一目標ですね。(5・10博多での春山vs希月の)次に自分がいきたい気持ちももちろんあります。そういう思いがこの3日間でより大きくなりました」

やはり、中島安里紗に必要なのは無差別級王座のベルトである。現在は春山香代子が巻いているが、いずれは中島が名乗りをあげるべきなのだろう。おとなしくしていたら中島安里紗が中島安里紗ではなくなってしまう。中島を迎え撃つためにも、立場を逆転させた春山香代子は貫録でこのベルトを守っていく必要があるのだ。