バレンタインデー当日に行なわれた浅草大会。試合前にリングに立った中島安里紗は尾崎魔弓を呼び込むと「これからも、ぜひよろしくお願いします!」とチョコレートを手渡す。尾崎は「ホントにありがとう。私も今日プレゼントを用意してあるの。正危軍に入ったお祝いとバレンタインのお返しも含めて…興行を用意しました!」と、用意していたポスター画像をプレゼント。知らない間にポスターに載せられていた藤本つかさが困惑するが、尾崎は「佐藤(アイスリボン社長)に聞いたら、いいって言ったよな? 歌のコーナーも作ってやったから文句ないだろ? ちょうどいいね。バレンタインデーのお返しでホワイトデーに正危軍興行やります! これは正危軍に入ったお祝いだから、上がり(利益)が出たらオマエに全部やる! 藤本には3万ぐらいやるから」。中島は「やったー!!」と大喜び。チケットもすでに用意されており、さっそく売店での販売が開始された。
タッグトーナメント1回戦、ピコラビvsなでしこKANSAIは、ラビット美兎と花月による丸め込みの応酬から、下野佐和子が雷電ドロップでアシスト。すかさずジャックナイフで押さえ込んだ花月が3カウントを奪う。
3月に結婚引退を控える成宮真希は、かつて『獅子の穴』でともに練習を積んでいた時期もあるLeonとシングルで対戦。スピンキックからキャプチュードバスターにつないでLeonが快勝すると、試合後は互いにリングに手をついて深々と頭を下げた。
藤本つかさにダメ出しされていたライディーン鋼は藤本の入場時に奇襲を仕掛け、いきなり場外戦からスタート。リングに戻ると、強烈なサッカーボールキックでどよめきを誘った藤本は、鋼にゲキを飛ばしながらエルボーを応酬。最後はビーナスシュートを叩き込んで堂々の勝ち名乗りを受けた。
トーナメント1回戦、最後の試合は真華不思議vs尻神教。藤ヶ崎矢子は銀色に輝くアイアンフィンガーを持参して登場すると、普段のJWPでは使わないヒップアタックを披露。終盤にはリング下に隠していた特大のアイアンフィンガーを持ち込んだものの、教祖・志田光に誤爆させてしまう。真琴のライジングスター・スープレックスからデスティニー・ハンマーにつないで中森華子が勝利。翌週の川崎大会での準決勝もう1試合は花月&下野vs中森&真琴に決定した。
メインイベントは中島安里紗&尾崎魔弓vsコマンドボリショイ&KAZUKI。正危軍に怒り心頭のボリショイの奇襲から早くも場外戦に突入すると、中島はイスのほか壁に立てかけてあるJWPののぼりを凶器として使用。尾崎はKAZUKIの首にチェーンを巻き付けて吊るし上げる。KAZUKIも尾崎にデス・バイ・ロドリック3連発など荒々しさ全開で応戦するが、要所でイスを持ち込んでペースを譲らない正危軍。最後は中島がエルボーのラッシュからドラゴン・スープレックスでKAZUKIを仕留めてみせた。
「こんな勝ち方で満足かよ!?」と食い下がるボリショイに、中島は「ああ満足だよ! こんな負け方だったら悔しくねぇのかよ!?」と返答。ボリショイは「どんな負け方でも悔しいんだよ。だいたいな、オマエらの存在が1番悔しいんだよ。尾崎、無差別のベルトはJWPみんな狙ってんだよ。挑戦受けろよ」。Leonと美兎がリングに上がるが、尾崎は「やんねぇよ! ヤダね。メンドくせぇ」と拒否。しかし中島が「やってやるぐらい、いいんじゃないですか?」と21日の川崎大会でのタッグマッチを提案する。尾崎はボリショイとの対戦を断固拒否するが、中島とのタッグでLeon&美兎と対戦することに。夜のOZアカデミー新宿大会とダブルヘッダーとなることに難色を示す尾崎だが、中島が「私も2試合だから一緒に移動しましょ?」と、タクシー代を中島が払うという条件で合意した。
ボリショイは3・14正危軍興行についてもクレームをつけると「JWPで私とやるのがイヤだったら、私がその大会に乗り込んでやるよ」と対戦をアピール。尾崎は「なんでいつもオマエなんだよ! もう飽きたんだよ、オマエとは」と拒否の姿勢を崩さない。またしても中島に説得されてしぶしぶ対戦を承諾した尾崎だが、ボリショイがパートナーにOZ無差別級王者の加藤園子の名を挙げると「ぜんぜん新鮮味がねぇよ!」と呆れ顔。しかし、1月にOZの新宿大会で加藤に敗れている中島は「やってやるよ、なぁ尾崎!」と押し切った。
以下、各選手のコメント
★中島安里紗&尾崎魔弓
中島「(3日前に)OZの大阪で初めて組んで2回目です。楽しかったですけど…どうですか?(笑)」
尾崎「いや、思いのほか、しっくりきてるから…」
中島「なんかこのJWPのお客さんのまったく受け入れない感じが、またいいのかなと思います」
尾崎「アウェー感たっぷり(笑)」
中島「私、今までホントにベビーフェイスで団体のエースだったので。なんか空気が新鮮ですね。応援されないことが初めてなので」
尾崎「試合では応援されてないけどさ、売店には来るんだね。そこがよくわかんない(笑)」
━━今後もJWPでタッグを組んでいく?
中島「組みましょう!」
尾崎「ホントは出たくないんだけどさぁ…」
中島「組みましょうよ。せっかく正危軍に入ったのに、あんまり会えることがない」
尾崎「そうだね。なんか手のひらで上手く転がされてるよね?」
中島「いやいや、とんでもない!」
尾崎「あんまり、こういうふうに私を引っ張ってくれる後輩がいないから。新鮮っちゃあ新鮮だよね(笑)」
中島「新しい風を正危軍に吹かせたいと思います」
尾崎「それぞれみんな生意気なんだけどね。強引さが違うね」
━━KAZUKIとは初対戦?
尾崎「初めてかな? 記憶はないな。どっかであるかもしれないけど覚えてない。なんか1個1個の技は重みもあって迫力もあるんだけど、なんだろ? 感情が伝わってこない。JWPってそういう子が多い。上手くて技もいいんだけど気持ちが伝わらないというか。怒ってるんだろうけど内に秘めすぎちゃってるよね」
中島「でも最近のKAZUKIさんは良くなりましたよね、上から目線でアレですけど(笑)。なんか年が明けてから変わったかな? って感じは…まだまだですけど」
尾崎「なんか化けそうだけどね。あともうちょいで」
━━そのJWPに対する印象は、在籍時から思っていた?
尾崎「(自分が)居た時のだいぶ後輩ぐらいからかな。特に今のJWPがそうだと思う。私が居た頃より感情を感じないというか」
━━無差別戦はやりたくない?
尾崎「だって、めんどくさいんだもん」
中島「そんなこと言わないでくださいよ」
尾崎「しかもボリショイがグアーっと来すぎて引く! めんどくさい、ああいうタイプ。熱意がありすぎんのも、どうかと思うよ。ほかの人は、なさすぎるけどさ。ボリショイは熱すぎんだよね」
中島「ボリショイさんの場合は“尾崎さんだから”っていう感じが伝わってきすぎて…」
尾崎「たまには引いてみたらいいのにね(笑)。だけど中島がJWPで正危軍として、私と暴れたいっていう気持ちが伝わったからやるけどさ。中島がいなかったらやんない。あんな熱い青春野郎みたいな(苦笑)」
中島「楽しいです! 尾崎さんと組めて(笑)」
尾崎「私がやってあげられるっていったら興行ぐらいしかないからさ(笑)。(ホワイトデーで)マシュマロとか中島には合わないよ」
中島「もう全力で…試合もベストフレンズでやりたい」
尾崎「なんか考えようよ。桜花も入れて」
━━藤本についての評価は?
尾崎「おもしろいもん。なんかやると響いてくるから(笑)。前回(紫雷)美央のときは『バッド・エンド』だったから『バッド・フレンズ』で」
中島「いいタイトルですね」
★コマンドボリショイ
「本来ならもっと早く…でも今“中島となら出てもいいよ”って。結局、尾崎は1人で動けない奴なんで。とりあえず次、2月21日。JWPの選手をいつもナメてるので、痛い目みると思います。尾崎はベルトに防衛期限(4ヶ月)があるのを知ってるし、ボリショイとやりたくないだの、JWPの選手はイヤだの、そのうちワガママも言ってられなくなると思うので楽しみに見ててください。尾崎や中島がなんだかんだ汚いやり方を使ってきても、私のやり方でまっすぐ行くしかないので。まっすぐ行って太刀打ちできなければ私の実力はそれまでだし。相手が何をしてこようが私を曲げることはないので。(中島について)正危軍、そしてベストフレンズの快進撃…本人が調子に乗りたい気持ちもわかるぐらい勢いに乗ってるとは思うんですけども、長くは続かないと…。私は本来中島が持ってるはずの芯みたいなものは今、感じなくなってしまったので。ただ私は今、尾崎しか見ていないです」