後楽園でのビッグマッチを1週間後に控えての両国KFC大会。まずはデビューを翌週に控えるRiNOとアイビス咲蘭(さら)が先輩の胸を借りて試運転。
続いて行なわれた入場式では選手を代表して中島安里紗がマイクを持ち、「今日全力で闘えない選手は、来週も全力で闘えないと思いますので、後楽園ホールに劣らぬ試合を全試合お届けしていけるように」とあいさつする。
ドロップキックからのフォールしか認められないタッグマッチは、KAZUKIをパートナーに迎えた藤ヶ崎矢子がドロップキックを得意とする倉垣翼&つくしと対戦。2人同時のドロップキックを発射するなどコンビネーションを見せるが、倉垣の両肩の上に立ったつくしが、そこからジャンプしてのミサイルキックで矢子を仕留めた。
第2試合はコマンドボリショイと弓李が、ギブアップでのみ決着がつくルールで対戦。グラウンドの攻防に弓李も必死に食らいつくが、ボリショイは故・プラム麻里子さんが得意としていたフィッシュ・ストレッチ・スリーパーからストレッチプラムにつないでギブアップを奪った。
8月にキャリア4年でジュニア卒業を控えるライディーン鋼は、REINAの元・小波を相手に2冠王座を懸けてのタイトル戦。肩に担ぎ上げた体勢から前方に叩きつけるライディーン・ボムで3度目の防衛に成功する。
セミファイナルの6人タッグマッチでは『全力バタンキュー』中森華子&米山香織&木村響子が、Leon&ラビット美兎&花月という混成トリオと激突。スターダムでタッグ王座を保持している木村と花月の対戦や、Leonと米山が3年半ぶりの同期対決でライバル意識をムキ出しにするなど試合は白熱し、木村がカウンターのビッグブーツで美兎をフォール。後楽園でタッグを組む木村と中森は、腰に手を当ててベルト奪取をアピールした。
メインイベントは中島の持つ無差別級王座に、再デビューから3ヶ月あまりの勝愛実が挑戦。持てる技を駆使して攻め込んでいく勝だが中島をあわてさせるまでには至らず、エルボーの連打で動きが止まったところをだるま式ジャーマンで3カウントを奪った。完勝でのタイトル防衛にもかかわらず浮かない表情を見せた中島は、「ベルトを防衛すればいいわけではないということを、私は知っています。自分の力不足を感じています。必ず次の後楽園ホール…あと1週間ですが、もっともっと強くなって…高橋奈七永を超えます」と淡々とした口調で宣言。笑顔なくリングを下りた。
以下、各選手のコメント
★中島安里紗
「やはり自分の力不足を感じましたし、なんか、もうそれ以外言葉が今日は出てこなくて…。なんですかね? 私は正直、プロレスって相手を奮い立たせるものじゃないと思うし、個々が対等にリングに上がってるっていうことが、私はもうプロレスだと思うので…。でも、わかんないです。自分でも今すごくいろんなことを考える時期で、何が正しいかってわかんないし。自分が思うこともなんか…」
━━所属選手との対戦が続いて刺激が足りない?
「愛実に関しては再デビューしてから対戦もなかったですし、前回タッグでちょっと当たったぐらいで。なので新鮮味はあったと思うし“他団体だから”とか“ウチだから”とかあんまりないんで、普段から。でもなんか“プロレスって何だろう?”って。今さら何言ってんだよって思われるかもしれないけど…」
━━勝とは久々のシングル戦だったが。
「やっぱり違いますよ、全然あの時の愛実とは違うと思うし、もう覚えてないけど。気持ちが違うから戻って来たんだと思うし。自信というか、ここ(JWP)で何をやりたいのか明確になっているというか。前の時はもちろん“強くなりたい”、“メインに上がりたい”とかあったかもしれないけど、明確に何をやりたいのか。無差別を獲ってJのリングをどうしていきたいか? とか、そういうものがなかったと思う。今の愛実は今のJWPにとって、自分がどういう位置に立ってどういうふうにしていきたいのかっていうのが、自分の中に明確にあると思うので。あとはそれを現実にしていくのは努力しかないと思うし」
━━試合後半でイラ立っているように見えたが。
「自分に対してですね。後楽園の高橋奈七永戦を前にして、なんか…言いたくないけど、悩んでるっていうのとは違うと思うんですけど、いま自分の、振り返った時にターニングポイントになる時だと思うので」
━━迷いがある?
「そうですね。認めたくないけど、そうなんだと思います。迷うっていうか…なんて言ったらいいんですかね? 言葉がなくて(苦笑)。自分にはまだまだいろんなものが足りてないと思うので…っていうことだけです」
★ライディーン鋼
「関節(技)がやっぱり上手いですね。私は苦手なので、ホントに腕が折れるかと思いました」
━━まもなくジュニア卒業となるが、防衛戦は今回で最後?
「いや、8月19日が私のデビュー記念日。それまで持ってるので、挑戦したい奴はいつでもかかってこい」
━━対戦を希望する選手はいる?
「別に誰でもいいです。私に挑みたい奴が来ればいいと思います」