6月14日(日)ラゾーナ川崎プラザソル 13時半
「トロピカル☆ハリケーン」
観衆160人(満員)
中島安里紗がマッチメークしたセミファイナルのタッグマッチ後、その中島がコマンド・ボリショイに向けてマイクを取った。「私たちはただ先輩の背中を見てるだけじゃない。先輩の背中と、さらにその先を見て先を進む覚悟があります。ボリショイさんが前に進む覚悟がなくていいんですか?」。この発言は、春山香代子が熱望するボリショイとのJWP認定無差別級王座戦、その実現を希望するものと考えていい。しかし、ここでもボリショイは即答を避けた。が、その答えは、春山が出場する中森華子の復帰戦後にやってきた。
そこで出た返答は、春山との対戦に応じるというものだった。これにより、7・11新宿FACEでのタイトルマッチが正式決定。春山の希望が通った形だ。
では、どうしていまボリショイなのか、あらためて王者・春山に聞いてみた。
「プロレス界に入ってからすべてを教えてもらったのがボリショイさん。これでやっと恩返しができると思ってます。過去2回、無差別のベルトを巻いたけど、このときも1度もボリショイさんとはタイトルマッチをやっていない。これもまた運命だったのかなと思いますけど、私がベルトをもって赤コーナーに立ち、挑戦者のボリショイさんに勝つことができたら、それが最高の恩返しになると思うんです。ここまでの18年間で、すべてを知り尽くしてる。ボリショイさんの気持ちも、技も。いろんな思いが詰まっているので、これまでの無差別戦とは違うと思います。JWPで育った春山、春山を育てたボリショイさんの思いもあると思うんです」
3度目の戴冠となった春山。過去2回とはまた違った気持ちで、このベルトを巻いている。いままでは無差別級の価値を上げながら団体を背負うとの思いが大きかった。今回ももちろんそうだが、それ以上の気持ちもある。春山の戴冠をきっかけに勃発した世代闘争。しかし、いまひとつ大きなうねりには届いていないのが現状ではないか。
「先輩を目の前にしていま一歩引いてしまう選手が多いんですよね。遠慮しちゃうっていうんですか。その遠慮がなければもっともっといけるのに。この選手には思いっきりいけるけど、あの選手には遠慮しちゃうとか、そういうばらつきもあったり。全員が先輩に対して手加減なくいけるようにならないと」
春山vsボリショイは、決してベテラン同士の対決でもなく、世代闘争と離れた闘いでもない。王者と挑戦者の立場が逆転しているとはいえ、春山にとってボリショイは先輩にあたる。春山はこの試合を通じて、先輩に向かっていく姿を後輩に見せようというのである。いわば、対先輩のお手本ということになるのではないか。ベルトをかけての一騎打ちは初めてだが、これまでの対戦でも、春山はボリショイに対し決して引けを取ってはいない。むしろ「得意なほうじゃないですかね」と言うほどだ。それはボリショイのことを信頼しているからでもあり、だからこそ遠慮なく思いっきりぶつかれる。7・11新宿での試合も、春山は遠慮なしの真っ向勝負を仕掛けてくるだろう。この試合から若手たちがなにを感じるか。対先輩のヒントを与えるために、春山はボリショイとの一騎打ちにベルトをかけるのである。
1、シングルマッチ 20分1本勝負
●藤ヶ崎矢子(7分32秒、エビ固め)アレックス・リー○
※アレックスドライバー
2、シングルマッチ 20分1本勝負
○Leon(9分35秒、片エビ固め)優華●
※マッドスプラッシュ
3、シングルマッチ 20分1本勝負
●ライディーン鋼(8分44秒、でんでんむし)つくし○
4、世代闘争・タッグマッチ 30分1本勝負
コマンドボリショイ&●KAZUKI(15分52秒、ラビットスープレックス・ホールド)中島安里紗&ラビット美兎○
さ
5、中森華子復帰戦 シングルマッチ 20分1本勝負
○春山香代子(14分15秒、片エビ固め)中森華子●
※ダイビングギロチン・ドロップ
☆ボーナストラック 5vs4タッグマッチ 10分1本勝負
春山香代子&中島安里紗&Leon&KAZUKI&中森華子(時間切れドロー)コマンドボリショイ&ラビット美兎&ライディーン鋼&藤ヶ崎矢子