【レポート】7月11日(土)新宿FACE 19:00

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この日より始動となる『ハナカナ』(中森華子&華名)は、2人とも白塗りメイクで登場。ヒザの負傷から3ヶ月ぶりの復帰となる瑛凛は、阿部幸江から受け継いだコスチューム(リメイク)でブランクをほぼ感じさせない元気いっぱいのファイトを展開する。中森の鎮魂歌ドライバーに沈んだ瑛凛だが、「皆さんただいま~!! 皆さんの応援のおかげで、今日やっと復帰できました!!」と叫ぶ と7.19大阪でも対戦が決まっているハナカナへのリベンジを宣言。金色に飾り付けたマイクスタンドを持ち出した中森は「かなimageたろー、聞いた今の? 大阪でも組むんだよ。がんばろうね。かなたろーは9月15日以降、無期限に休業するんだよね? だから私は無期限に、かなたろーのことをかなたろーって呼び続ける」。華名は「いいよいいよ!」と激しく拒否した。
中島安里紗と志田光の5度目にして“完全決着戦”と名付けられたシングルマッチは、この日も一進一退の激しい攻防に。中島の腰に攻撃を集中した志田は、セカンドロープに両足をかけた状態で担ぎ上げコーナーポストに叩きつける秘技『魔女の一撃』を繰り出して大きなダメージを与えると、最後はランニングニーの連打から3カウントを奪取。宿敵・中島からついに勝利をあげてみせた。中島は“最image終決着”に向けて闘いは続いていくことを訴えると、OZアカデミー無差別級王座を奪取して志田を挑戦者に指名することをアピール。

 
セミファイナルではラビット美兎&ライディーン鋼がボラドーラスL×Rのタッグ王座に挑戦。連係攻撃のパターンを増やすなど意欲的な攻めを見せた美兎&鋼だが王者チームの壁は崩せず、Rayがスカイツイスタープレスで鋼から勝利。マイクを持ったLeonは「次の挑戦者に十文字姉妹を指名したいと思います。7月26日の名古屋、そこで彼女たちとこのベルトを懸けて闘いたいと思います。次勝てばタッグの最多防衛記録に並ぶので、必ず勝ってチャンピオンロードを突き進んでいきますので、これからも応援よろしくお願いします!」と決意を述べた。

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メインイベントはJWPトップの2人、春山とボリショイが真っ向勝負を展開。ピコニー・スマッシュの3連発からみちのくドライバーまで繰り出すボリショイ。これを凌いだ春山はラリアットの乱れ打ちで粘りを見せるが、最後はボリショイがライムライトで丸め込んで3カウントを奪った。15年ぶりの無差別王座戴冠となったボリショイが涙ながらに春山にマイクを託すと、春山は12・27後楽園での引退を発表。ボリショイはプラム麻里子さんの命日である8・16後楽園で尾崎魔弓とのタイトルマッチを訴え会場をどよめかせた。

 

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★第3試合後のマイク
志田「中島さんと自分はシングルをやるたびにドローでした。何年越しの決着です。今日、その決着戦で私が勝ちました! 私たちはもうここで終わりでいいと思います。今日、決着がついてそれで終わり。ホントに長い間、ライバルとしていてくれてありがとうございました」

中島「ふざけんじゃねぇよ、終わってねぇよ! 確かにな“完全決着”って言ったけど“最終決着”じゃねぇんだよ! まだまだこれが始まりなんだよ、ふざけんな! OZの無差別のベルトとJWPの無差別のベルト…無差別2冠王者になったらまず、オマエを挑戦者に指名してやるよ。絶対逃げんなよ!」

志田「オマエ忘れんなよ、その言葉!(中島が帰ると)いや~本当に往生際の悪い女ですよ。ただアイツがベルトを2本巻いたとき、それをすごい楽しみにしてます。その前に私が巻いちゃうかもしれないけど」

★志田光
「勝ちました!! あ~長かったホントに…。やっぱスゴイっすね。悔しい。絶対本人には言わないでくださいね。すごいんですよ、精神力とかが。ホントに押されそうになったんですけど…これで終わりが良かったんですけどね。でも、ああいうふうに言ってもらえるなら私にとってはホントに光栄なことなので。OZのベルトも狙ってるようですし、闘いはたぶんこのJ(WP)だけじゃなくなると思うんで。この先どこで闘っても絶対に負けません! もしも彼女が先に2本のベルトを獲ったんなら、そのときは喜んで挑戦させてもらいたいと思います。ただ! 私もOZのベルトをあんなヤツに渡すつもりはないし、こうなったらどっちが先に2本そろうか争うっていうのもおもしろいのかなと思いました」
━━今日の勝因は?
「難しいことを聞きますね(苦笑)。一点攻めって私なかなか上手くいくことがなくて、ただ腰に関してはバリエーションも増えてきたし、最後の秘技『魔女の一撃』もあるし。そういうのを自分で信じれたっていうのが1つ、あるのかなと思います。あとはやっぱりこんだけ何年も争ってきて、負けるわけにいかないでしょ! っていうホントにそういう気持ちですかね」

★中島安里紗
「ムチャクチャ悔しいですし、4回ドローでJWPでやるってことは、やっぱり私が勝たなければいけなかったと思うし…。“悔しいです”しか今はないですけど、でも今までベルトを失ってからもここまで走ってきて、自分の武器っていうのが決まってきたことでそこを攻められることも最近出てきて…っていうのがあるので。ここからさらに自分というのを深めていくチャンスだなと思ってます」
━━腰への攻撃は厳しかった?
「そうですね。自分の中でスープレックスっていうのが大きくて、それは自分だけじゃなくてファンの人たちも、私のスープレックスに信頼を置いているし。でも、それにこだわりすぎて今回みたいな結果になったら意味がないと思うので。さらにもう1つ武器を手に入れるタイミングなのかなと思います。今までも何度か腰を攻められて自分の闘いができないということがあったので」
━━新兵器のヒントは描けている?
「今はまだ…すぐにはアレですけど、でもやっぱり細かいことは私はできないと思うので…。いま藤本つかさともタッグ組んでますけど、藤本つかさって私と真逆の闘い方をする選手だと思うんですよ。今、このタイミングで藤本つかさと組んでるっていうのは、また1つ運命だと思うので。変幻自在じゃないですけど、そういう闘い方っていうのも隣りで感じていきたいなって。リング上でも言いましたけど、今日で終わりではないので。ようやくスタートだと思っているので。OZの無差別のベルトもJWPの無差別のベルトも獲って無差別の2冠王者として、まず初防衛戦の相手に志田光を指名するっていうのが、今の私の…まず1つめの目標ですね」

★メインイベント後のマイク
ボリショイ「チャンピオンになりました! 15年ぶりにこのベルト巻くことができました。本当にありがとうございます。そして春山香代子…こんなに強く大きなチャンピオンになってくれて本当にありがとう。…時は本当に残酷です。皆さんに今日は大切なお知らせをしなければいけません。これは今日どっちが勝っても、そういう道しか残されていませんでした。春山香代子より発表があります」

春山「…っていうか私は悔しいんだよ! 無差別のベルトを獲られてよ!…でもやっぱり、ボリショイさん。あなたは小さいかもしれないですけど大きな背中ですね。私はあなたの下でプロレスできたこと、そしてJWPのトップまでいけたこと。ボリショイさんがいなかったらバリバリ春山はいなかったと思います。…ということで春山香代子! 12月27日後楽園ホール大会で引退します!!(会場から大きなどよめき)私は明るくハッピーな大会が好きです。なので引退するかもしれないんですけど、まだ長いですよ12月まで。そして12月も皆さんお願いします。笑顔で送り出してください!(会場からの反対の声に)嬉しいです。だから毎大会、来てくださいよ? いま言った人たち。道場マッチも来いって感じですよ。もっともっとJWPを盛り上げていきたいので、皆さんの力が必要です。そして15年ぶりに無差別…(ボリショイに向かって)何やってたんですか15年間? ボリショイさんはもっと前にいてください。泣いてる場合じゃないですよ、無差別のベルト巻いたのに」

ボリショイ「オマエのせいやろ!」

春山「チャンピオンなんで明るく締めてください!」

ボリショイ「去っていく人はみんなそう。自分勝手で…。私はいつもみんなを見送ってきて、そして本当に一緒にJWPを引っ張ってきてくれて、春山香代子のプロレス人生、全部JWPに捧げてくれて。いつもそばにいてくれて、本当に感謝することだけ…。あとは春山が決めた引退への道を、私はせめて第二の人生へ華々しく旅立てるように、引退ロードをより華やかに送り出してあげることが、最後に私ができることだと思っています。皆さんも、大好きな春山香代子を…最後華々しい引退ロードを一緒に作っていこうじゃありませんか。どうかひと試合でも多く春山の試合を、そしてもっともっとJWPまだまだ大きくなっていきます。一緒に皆さん盛り上げていってほしいです。これからもよろしくお願いします!(会場から拍手)春山が私を挑戦者に指名したときから、こういう発表をするんじゃないかっていうことは、もうわかってました」

春山「私は勝って言いたかったです!(苦笑)」

ボリショイ「いや、ベルトを持って引退させるわけにはいきません。JWPの選手みんなリングに上がってください。私がこうして今日、無差別の試合をすることができたのも、ここにいるみんながJWPのピュアハート・ピュアレスリングをしっかり受け継いでいるからだと感じて、信じることができたからです。みんなこれから一緒に頑張っていこう! みんなこの無差別のベルトを欲しがっていると思う。でも、私にはいつか無差別のベルトを獲ったら、絶対にやりたいと思ってた選手がいます。今ここで言ってもいいですかね。OZアカデミーの尾崎魔弓選手(会場から大きなどよめき)。8月16日、後楽園ホール、プラム(麻里子)さんの命日です。この後楽園ホールのメインで、JWPの無差別級のベルトを懸けて、尾崎魔弓選手と闘いたいと思っています。近いうちに必ず尾崎選手とコンタクトを取って決定したいと思います。皆さん楽しみにしていてください」

★春山香代子
「勝っても負けても、もう年の初めから自分で決めてたことでボリショイさんにも話してまして、私の好きなタイミングで引退表明していいよって言われてたので」
━━引退の理由はコンディションの問題か精神的なものか?
「いや、どっちもありますよ。やっぱりケガしてるところもいっぱいあるし。なんか最高潮っていうか自分がすごいバリバリ闘えてるときに自分の中では引退したいと思ったんで。若手が入ってきて、衰えた私を見られるのもイヤなので。でも私、ベルトを巻いて言いたかったんです。なぜならJWPの先輩方って、ベルトを巻いたまま引退した人っていないんですよ。なのでそれをしたかったのに、やっぱりボリショイさんは厳しいですね。そう簡単には…」
━━ファンの声は聞こえた?
「聞こえました。すごい嬉しいし“え~?”とかないほうが悲しいですよ。衰えていく春山で、たぶんどんどんファンも減っていって“引退したほうがいいよ”って思われるよりは。ファンの人たちには勝手かもしれないですけど、そこはわかってもらいたいです。だから私も引退まで精一杯、それ以上の力でリングに上がりたいと思ってるので。最後まで楽しんでハッピーにいきたいと思います!」
━━残り半年弱の間に、これだけはやっておきたいことは?
「う~ん…やっぱり倉垣とか米山とかと当たりたいなって気持ちはあります。でもたぶん短いと思います。プロレスだけに集中してないので、やらなきゃいけないこともいっぱいあるし、それより何より若手をもっと気持ちの面で…技とかは練習すれば上手くなるんですよ、誰だって。心なんですよ、問題は。どれだけやられても立ち向かうか、やり返すかっていう気持ちがある子もいるんですけど、まだ上手く出せてない子もいるので。私ホントに何もできない子で入ってきて、プロレスもできない運動神経もなかった。それをここまでしてくれたのもボリショイさんだし、それを私が若手に伝えていきたい。…ヒドイですよね。チャンピオンになって泣いて…しまいには私が悪いみたいな。じゃあ私にベルトを巻かせてくれてもいいじゃないですか(苦笑)」
━━引退後は?
「考えてないです。ノープラン。多少のはあるんですけど大々的に仕事にしてやっていこうというのはないので…。まずはプロレスだけに専念したい。それだけです。ホントにJWPが好きなので。寿だったら言ってますよ、リング上で!」

★コマンドボリショイ
「本当にいろんな想いが春山に対してはあって…なんで春山が今までチャンピオンのときに私が挑戦する機会がなかったのか? わかんないぐらい時が経ってしまったんですけども、春山が引退したいっていうことはもう聞いててタイミングも春山に任せてて。挑戦者として自分を指名してきたっていうことからも、とっても自分の中では重い試合になってしまったんですけども。実際に春山の攻撃はどれも重たくて…引退を決める選手と、これから現役を続けていこうという選手の気持ちの違いというか、いま負けてしまうと自分がやってることに自信が持てなくなると思って…ここはなんとしても負けるわけにはいかなくて。結果こうして私の腰に(ベルトが)あるんですけども、15年ぶりで前に獲ったとき私は何もすることはできなくて、会社もとっても悪い状況で。不安だらけのチャンピオンだったんですけども、今はJWPも若い選手が育って、本当に春山とどんなときも一緒にやってきたので。JWPがダメになってみんなが1人ずつ辞めていく中、最後まで残って冗談っぽく“私より先に辞めないでね”なんて言ってたことが現実になってしまって。これを皆さんに早く伝えてあげなきゃいけなくて…発表できなかったから春山香代子の引退ロードを進められなくて。春山を送り出さなきゃいけないということを皆さんに発表して、私自身も強くならなきゃいけないなって。…大丈夫です。みんな、ほかの選手はしっかりしてるので」
━━対戦相手に尾崎魔弓を指名したのは?
「これはもうJWPのルーツというか、私が今もプロレスを続けていられるのは少なからず尾崎さんの影響は大きいと思うんですけども。尾崎さんが無差別のベルトに何度か挑戦している姿を、私もまだキャリアの浅いころから見てきて、尾崎さんはベルトが獲れなくても関西さんに向かっていって…その背中を私はずっと見て、そして私にとってとっても超えたい相手でもあるし、マスクを取られたこともあるし。昔のことは別にほじくり返したくはないんですけども…JWPの歴史を語るのには尾崎選手は外せないし、いつか私が頂点のベルトを獲ったら絶対、挑戦者として尾崎魔弓を指名してやるっていうぐらい、いつか見返してやろうみたいな気持ちは持ってたので。8月16日はプラムさんの命日で、後楽園ホールを偶然JWPが押さえることができて。プラムさんに捧げる大会で尾崎さんと闘いたいというのはもともとあったんですけど、いつか私が無差別のベルトを獲ったら指名したいなっていう、そのなんとなく思っていた“いつか”が、叶わないだろうと思っていたことが今、現実にこのベルトが私の腰にあるということは…実現できると思うので。春山香代子は引退してしまう。でも、私たちは止まるわけにはいかないので。引退ロードと並行してJWPがもっともっとおもしろくなるように活性化していきたいと思うし、新しい刺激もやっぱり必要だと思うし、尾崎魔弓という選手の存在がいつもどこか頭の中にあるので。尾崎選手からきっちり防衛して、また次のステップへいきたいなと思っています」