【レポート】8月16日(日)後楽園ホール 12:00

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プラム麻里子さん17回目の命日。試合前には選手たちがリングを取り囲んで黙祷。続いてJWPの選手による入場式では、ボリショイが「JWPがこうしてプロレスを続けてこれたのも、プラムさんが身をもって証明してくれた教訓があるからだと思っています。全選手、最高のコンディションで最高の試合を、プラムさんに捧げたいと思います」imageとあいさつして大会がスタート。
まずはスケジュールが急きょ空いた華名に中森が参戦をアピールしたことで行なわれた特別試合。5分を闘い終えると握手と抱擁を交わして2人で手を上げる。コスチュームを新調した矢子は小波を下し、ジュニア王座挑戦の切符を手にした。

 

第2試合では序盤から希月がパートナーの都に攻撃を加えるとWANTEDポーズに参加するなど敵味方が入り乱れる。KAZUKIがコーナー最上段からのニードロップからデス・バイ・ロドリックにつないで都を破ると、試合後は3人がかりで都にストンピング。

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Leonは丸め込みを応酬を制してRayから3カウントを奪取。Leonの差し出した手を握り返したRayだが、人差し指を立てて再戦をアピールした。

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派手な色合いのコスチュームに仮面を着けてリングインした『ベストフレンズ』は連係攻撃の呼吸こそ合わなかったものの、中島と中森が頭突きの応酬をしているところに、藤本がビーナスシュートでアシスト。中島がだるま式ジャーマンからドラゴンSHにつないで中森をフォールした。最後のJWP参戦となる美央は「JWPさんはもっと女子プロレスを引っ張っていってくれると思います」とエールを贈ると、タッグを組んだ中森と握手。中島は「ベルト狙っていきますので、楽しみにしててください!」と宣言すると、中森に「1日2試合、負けた理由できて良かったね。お疲れさま」と冷たく言い放つ。

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セミファイナルは新旧のJWP所属選手が集まった6人タッグマッチ。美兎は関西の巨体を強引なジャーマンで後ろに放り投げると、春山のトラースキックと米山のソバットによる応酬、鋼は倉垣にラリアットを連打していく。倉垣がメタルウイングからのムーンサルトプレスで鋼に勝利すると、試合後は春山が相手の3人と握手。倉垣とは“バリバリ最強NO.1”のポーズを決めて春倉復活を予感させた。

ボリショイの無差別級王座に挑む尾崎は1人で入場。試合前は握手に応じ序盤はレスリングの攻防も見せるなどクリーンファイトを展開するが、試合途中に西尾とポリスが乱入して乱戦に突入。ボリショイのセコンドについた中島と美兎が相手を押さえにかかり、カブキがポリスの顔面に毒霧を噴射し
撃退に成功。しかし、ボリショイのウラカンラナを切り返した尾崎が3カウントを奪った。怒号に包まれる中でベルトを受け取った尾崎はベルトを踏みつけて記念撮影。マイクを持つと「ボリショイ、“今日はありがとう”なんて言うと思った? 今日の私は現在進行形の尾崎魔弓の試合。これからもっと頑張って頑張って頑張って…このJWPのベルトの価値を下げます!」と言い放つ。ボリショイと尾崎が舌戦を繰り広げると、中島も尾崎に詰め寄り「OZのベルト獲ったらJWPの無差別、私が挑戦するから覚えとけよ!」と宣言した。ボリショイが「応援してくださった皆さん、ホントにすいません。一刻でも早くベルトは獲り返します」と観客に謝罪すると、中島は「ベルトを獲り返すのはウチらですよ」。JWP全員がリングに上がる中、ボリショイは「ベテランも若手も関係ない。努力してチャンスをつかみ取った者が上がっていくだけだよ。私はもっともっと上を見ていく。ベルトを獲り返すのは誰だ?」。中島が「私だよ!」と即答すると、JWP内の闘争も訴えたボリショイは「JWPが長い間培ってきたピュアハート・ピュアレスリングを守り続けて、真っ向勝負で尾崎魔弓を倒します」と最後を締めた。

 

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以下、各選手のコメント

★ベストフレンズ
藤本「まずは入場からお客さんの心をつかんだんじゃないかなと思います。このド派手のコスチュームと仮面、貴族をモチーフとして作ってみました。いかがだったでしょうか? 試合後、涙が出て…」
中島「試合中さぁ、事故ったよね?(笑)」
藤本「これ、感動して泣いてるんでは決してありません。中島安里紗のヒジが誤爆しまして…」
中島「すいません! でもあれだよね。どっちもどっちだよね? ジャマな場所にいて…(笑)」
藤本「私も先にいこうと思ったんだけど、ここ(目)に思いきり入ってもう涙が今、止まらなくて…(苦笑)」
中島「そういうところも完成度を高めて…」
藤本「決して泣いてるわけではないので。嬉し涙、流させて。今度」
━━連係攻撃もいくつかあったが。
中島「まだまだ、もっとホントはスッといけるはずだった(苦笑)」
藤本「まだまだ改善の余地はあるんで」
中島「心で会話できるように、数をこなしていくしかないと思うので」
━━中森には「この3人の中に入るのに足りていないのでは?」という話もあったが、今日闘ってみて。
中島「う~ん…私は今日の試合でたぶん見せなきゃいけなかったと思うんですけど、どうですか、皆さん的に? 私の中ではいつもと変わらないというか。(藤本に)どうですか? 私は近すぎてちょっと…」
藤本「1試合目(vs華名)終わった後にすごいヘコんだ顔してきたんですよ。それを見て“あ、今日絶対勝てるな”って私は思ったので。想像通りというか、予想の範疇というか」
中島「なんか、ここぞというときってどんな選手にもあって、大きくても小さくても、ここぞというときを1つも逃さずにいくことがやっぱり大事だと思うんですね。いまトップに立ってる人…私もそうだし藤本つかさもそうだし、ここぞっていうときを敏感に感じ取って、それを確実に結果につなげてきてる。それがエースっていうものになってると思うので、もっと敏感になることと、絶対につかむっていうところがないんじゃないのかなと私は思います」
━━連係は合ってなくても、合わせようとしているように見えるが、変わったきっかけは?
藤本「私から“組もうよ”って言ったんですけど、私が言ったから仕方なく組んだっていうふうに思ってたんです」
中島「違うよ(苦笑)」
藤本「だけど話を聞いてみて、実際“クラッシュギャルズみたいにタッグで盛り上げたい”とか“ベルトを狙っていきたい”とか“信用してるから組んでる”とかいう言葉をサラッと言っていたので。それで私は“この人、信用してみよう”と思って、そこから本当に変わった気がします」
中島「私は最初から、ちゃんと組もうというつもりでいたので(笑)。でも、すごくドライな人間だと思われてるので。でも、そんなことないよって…」
藤本「32人掛けのとき(7・29アイスリボン後楽園)に行動で示してくれたんですけど、そこから私は変わりました」
中島「なんか恥ずかしくなった(苦笑)」

★ダイナマイト・関西
「JWPのお客さんもね、あったかい雰囲気で。今日こういう場所を麻里子が作ってくれたっていうのも感謝の1つで。こうやって昔のメンバーと今のメンバーとが出会える場所を作ってくれてるのが麻里子をきっかけにしてくれてるから、大事にしたいなと思います。(美兎と鋼について)ちっちゃいのもね、あんだけちっちゃいのによく頑張ってると思うし、ライディーンもあれだけの体ね。今、大きい子少ないんでもっと頑張ってもらいたいね」

★倉垣翼
「自分・米山・関西さんで、あとみんなJWPで。1回どこかで組んだんですけど、すごいJWPの血筋を感じて…呼吸が一緒だったんで。なんか鋼や美兎もやっぱりJWPの選手として、どこに行っても誇れる超一流の選手になってもらいたいので。成長を感じれたんですけど、もっともっと成長してほしいと思いました。春山も引退決まってるのでブルキャッツ(春山&倉垣&米山)で組んだりもしたいし、春倉もやりたいなって思います」

★コマンドボリショイ
━━ベルトを失ってしまったが。
「あれでいいのか? って。これがJWPが長い間守ってきた…JWPの誇りである無差別級選手権試合なのかと思うと悔しいし…。でも、尾崎魔弓を指名したのは私だし、尾崎がこう来ることも予想はしてたんで。その土俵で負けたことは1番悔しいし。私が次、尾崎を倒すときはそんなに遠くないと思います」
━━対策は練っているという話だったが、セコンドが入ってきたら止めるように指示を?
「それはもう当たり前のことであって、最初から私はラビット・中島・カブキさん。あと、ほかの選手はお客さんの安全を第一に考えて動いてくださいと。尾崎は人望も薄いんで、連れてきても2~3人かなと思ったので。JWPの選手が太刀打ちしても、多勢に無勢でみっともないかなと。やっぱりJWPは乱闘慣れしていないお客さんが多いので、お客さんの安全を考慮することも大事だと思うんで。最後カブキさんも協力してくださって(ポリスの顔に毒霧を噴射)感謝しています」
━━試合後は中島らが決起したが。
「JWPは決して仲良しこよしじゃない。1つの伝統を守っていくという団体のコンセプトでもあるけれども、仲良しこよしではなくその中にも闘いはあるっていうことを、中島は敏感に察知して1番に動ける選手だと、そういうのを実感しました。だからますますおもしろいし、ベテランがのさばってる団体、そして力量に合わないのに若手を押し出す団体…いろんなスタイルがあるけども、JWPは若手もベテランも関係なくプロとしてチャンスをつかんだ者が上に行くだけ。今回たまたま後楽園のメインに私が15年ぶりに立つことができたことが、1つ証明できたと思います」
━━プラムさんに捧げる試合、大会としては。
「全力でやって、今のコマンドボリショイの実力を今日の大会のためにすべてを費やして、リングに上がって今日の結果…そして尾崎の今の試合スタイル。それがすべて現在進行形ってことで本当に悔しいし、JWPはお客さんにハッピーになって帰ってもらいたい。こんな悔しい思いをしてブーイングを飛ばしたままお客さんを返してしまったこと…プラムさんはどう思ってるのかわからないけれども、プラムさんの名に恥じないように、プラムさんが活躍してきたJWP…こういう大会を継続して開催していけるように、自分たちはまた頑張っていきたいと思います」
━━JWPのベルトがすべて他団体に流出してしまったが。
「メチャクチャ非常事態ですね。次の大会はベルトを獲られた私、そしてタッグのベルトを獲られたLeon、ジュニアのベルトを獲られたライディーン、そしてすべてのベルトを巻いてきた中島安里紗。この4人でタッグマッチをして、JWPピュアハート・ピュアレスリング…何があってもそれを守ってきたという、決して仲良しこよしではなくそこには闘いがある。そういった試合を来週のラゾーナ川崎で見せて、そこからリセットしていきたいと思います」

★中島安里紗
━━メインイベントについて。
「試合始まる前に“なんかあったら頼むね”って言われてたので、すごい戦闘モードじゃないですけど…なんかもう、すごい腹立ちますね。最初ピュアハートぶってたところもムカつくし。今日って大事な日で、プラムさんの命日で…っていうところでああいうことをされて、なんか腹も立つし。いま終わったばかりで言葉が出てこないんですけど…。尾崎がJWPのベルトを獲ったなら私がOZのベルトを獲って、きっちり私が尾崎からベルトを獲り返して、2つの無差別のベルトをこの腰に巻けたらいいなと思いますね。たぶんベルトを獲り返すだけだとお客さんスッキリしないので、ちゃんと大舞台でブチのめしてベルトを獲り返すっていうのが大事だと思います」

★中森華子
━━華名との試合について。
「自分のワガママで…。元はなかった試合を自分が無理やり。“試合できて良かったね”で終わるのがすごいイヤで、いつも以上に全部出し切りたかったし…すごい悔しいです。気がついたら終わってしまってて。5分の試合をやったからタッグマッチに何か影響が出るとは思われたくなかったので、それは別として。でもああいう結果となってしまって」
━━中島から辛辣なコメントもあったが。
「今日は結果が結果だから何も言えないけど、私が何しようと中島の気持ちは変わんないっていうのは最近感じるんですね。でも私が絶好調なのは変わりないんです。私が何をしようと中島安里紗っていうのは、もう絶対に私のことを認めないんだと思う。すごい悔しいけど、ベストフレンズ勝手にやってって思います。壊したかったんですけどね、今日の試合で。今日で終わりじゃないですよ」
━━今後への意気込みを。
「かなたろーと短い期間だけど一緒に組んで、私の中でもすごいいろんな気持ちが芽生えて。やりたいことも見つかったし、ムダにしたくないっていうのが1番なので。復帰してから私はずっと絶好調だったんですよ、勝ち負けとかじゃなくって。それを今日で全部ダメにはしたくないです」